午前2時。だんなが搾乳したおっぱいをそうすけにあげるあいだ、わたしは寝ているように、と、うながされた。ちょっぴり気になるけれど、ここはまるごとおまかせしてみよう。うん、だいじょうぶだよね。と、うとうとしかけたところでだんながわたしをよんでいる。おっぱいをあげてほしいな、とヘルプをもとめている。どうやら、搾乳したおっぱいをのんだあと、ぐずっては泣き、泣きやんでベッドに寝かせると、またぐずっては泣き、を繰りかえしていたようだ。泣く子もだまるカンガルーケアのポーズをためしてみたけれど、今回はまったく効きめがなかったらしい。そうすけくん、どうしたのかな。
そうすけをよく観察していると、だんだん、泣いていてもほうっておくべきなのか、お相手すべきなのかがわかってきたような気がしてきた。すこしぐずってうす目をあけ、うーんとうなって伸びをする。そんなときに抱きあげると、たとえおっぱいをのんだ直後でもぎゃん泣きにな戻ってしまうことが多い。そこで気づかないふりをしてほうっておくと、ぐずるのをやめて、目をぱちくりしながら両手を握り、うーんとうなって伸びをなんどか繰りかえす。よゆうがあると、ぐずりながらあくびをしたりもする。そんなそうすけにじっと目をあわせると、見られたー、と、ちょっとはずかしそうに視線をはずしたりする。
うーん、は、うんちのサイン。だんなが発見した法則だ。ぱちくりまばたきしているのがかわいいな、と思って近づいたら、赤ちゃん特有のあまずっぱいにおいがした、という。そうすけは自分の意志で、うんちをしようとしている。見ているとたしかに、うーん、うーん、と、おなかのなかからなにかを絞りだそうとふんばっている。がんばったあとは、ぐっすり眠りにつくことが多い。ひと仕事を終えたあとの充実感、とでもいうのだろうか。ほんとうに気もちよさそうに眠る。このまま1時間から2時間はおやすみタイムをキープできる。もちろんはらぺこのときには、ぎゃん泣きの倍返しになってしまうのだが。
なにをもとめているのかがわかってくると、子育てはたのしくなる。つぎにやりたいことが事前にわかるので、ムダなくムリなくそうすけをケアできる。そのうえ、とびきりの笑顔をなんども見ることができちゃうわけだ。