1月24日、生誕1か月。(生後31日)

 そうすけがこの世に生まれてきて、きょうでちょうど1カ月をむかえる。出産予定日の2015年1月1日よりも1週間早い2014年クリスマスイブを選んできたのにはびっくりしたけれど。暗くてせまいおなかのなかから突然、音と光が満ちあふれたこの世界にとびだしてきて、そうすけもさぞかしびっくりしたことだろう。生まれたてのそうすけは、まだ首もふにゃふにゃで、さわったらこわれてしまうんじゃないかとだっこするだけでもドキドキだった。いまもわからないことだらけでおっかなびっくりの毎日だけど、とにかく1か月がすぎたんだなあ。あっという間だったなあと思ういっぽうで、ようやく1か月だとも思う。

 退院後3日めの健康チェックで、そうすけの体重増をもうすこしがんばりましょうとアドバイスされて、そのあとの健診までの1週間で軌道修正にはげんだ。まさに、24時間おっぱい祭りウイークだ。このところ、すこしずつ授乳のペースも落ちついてほっとしている。おっぱいをごくごくのんで、すやすや眠って、毎日をいっしょうけんめい生きているそうすけを見ていると、あっという間に1日なんてすぎさってしまう。友人の先輩ママが、朝からいっしょにいるだけで午後になっちゃったよ、と笑っていたがその気もちがよくわかる。いっぽうで、1日になんども授乳をくりかえしていると、ほんとうにゴールはあるのだろうかと不安な気もちにもなる。おっぱいをあげても、あげても、おむつをかえても、かえても、そうすけをあやしても、あやしても、いったん泣きだすとすべてがリセットされるのだ。たくさんのことはできなかったが、密度の濃い1か月だった。

 午後、テレビをつけると、トンガの海にいるザトウクジラの親子の暮らしを特集していた。はじめのうちは、海がきれいだなあと思って見ていたが、母クジラが子クジラをまもる姿に目をうばわれていった。ザトウクジラの赤ちゃんは、いつもサメなどの天敵にいのちをねらわれていて、3頭に1頭しか翌年まで生きのびることができない。そんな子クジラのために、母クジラは24時間365日そばに寄りそって、おっぱいをあげて、泳ぎ方を教えて、生きぬくために育てつづけるそうだ。それも、たった1年の期間限定で。1年をすぎたら、親ばなれしなければならないという。ニンゲンの親子には、できないことだ。