1月28日、風を感じるとき。(生後35日)

 澄みわたった青空、きれいな冬晴れだ。窓の外の景色を見ると、陽ざしがあかるくてあたたかそう。ホントは、気温が10℃あるかないかくらいだけど。部屋のなかで窓を閉めたまま、そうすけとひなたぼっこをする。ぽかぽかして気もちいいなあ。眠ってしまいそう。と、そうすけを見るとさっきから不機嫌そうだ。あらあら、とうとう泣きだしてしまった。おむつもかえたしおっぱいものんでいるのに、どうしたもんだろう。いつものように話しかけてみる。
「そうすけ、どうしたの」
いつものように返事はない。身をくねらせながら泣いている。
「どうしたのかな」
返事はない。泣きやまない。
「おっぱい、まずかったのかなあ」
泣きやまない。
「おむつが、むずむずするのかなあ」
泣きやまない。おむつが肌にフィットしていないと、わたしだっておこりたくなる。念のためチェックしてみよう。背中側に手をまわしてみて、ようやく気づいた。汗ばんでいる。あつかったんだね。そうすけ、ごめん、ごめん。
「そうかあ、あつかったんだね」
そうすけが、うなずいた。ような気がした。この1か月、ほとんど部屋のなかに閉じこもっているのだ。部屋のなかですごしているとついつい着こみすぎてしまうので、気をつけないと。うす着にしていても、時間帯によってはぬくぬくしすぎるときがある。ちょっと外の空気をあびようか。ベランダの窓をあけて、部屋に風を送りこんでみる。おさんぽに出かけるのは、あさっての1か月健診が終わるまで待とうね。そうすけが、うなずいた。ような気がした。

 そうすけは、風がすきだ。名前のなかにも風という文字があるからかな。窓を開けてだっこしながらベランダに立っていると、気もちよさそうに目をつぶっている。いまにも歌をうたいだしそうな、ほがらかな表情をしている。