9時から、妊娠検診だ。体重の増加が気になっていたので、風呂でゆっくり汗をかいておく。数字的にはこれで問題なし、と。日ごろから気をつけてはいるがカンタンにかわるので、気にしすぎないようにしている。婦人科の受付でいつもどおり母子健康手帳と妊婦健康診査受診票、診療予約カード、健康保険証を提出した。あ、きょうは10月で2回めの検診になるから、健康保険証は提出しなくてもよかったんだっけ。いつもどおり検尿をとり、血圧と体重を測り、ロビーで名前をよばれるのを待った。きょうはロビーが比較的空いている。
診察室のベッドで経腹エコー検査を待っているあいだも、そうすけはひんぱんに動いている。おなかが波打っている。だんなが、おなかのうえに手のひらをのせた。手のひらがあたたかい。そうすけは、こうしている時間がすきだ。しばらく寄りそうように動いて、安心したのかおとなしくなった。と思ったら、こんどは、しゃっくりだ。ひくっ、ひくっ、と、けいれんのような動きがつづく。いそがしそうだなあ。あれれ、とまらなくなっちゃった。わたしは、この動きがニガテだ。羊水のなかでバタバタともがいている様子を想像してしまう。先生がやってきた。
「こんにちは」
「調子はどうですか」
「いいカンジなんですけど、いましゃっくりがとまらなくて」
「ああ、それは元気な証拠ですね」
「よく動いているのはうれしいんですが、だいじょうぶかなあって」
「動かなくなってしまったほうが、たいへんですよ」
検査がはじまると、いつのまにかしゃっくりがとまっていた。気配を感じてじっとしているのだろうか。えらい、えらい。
「ここが、あたま。それから、胴まわり。こっちが足ですね」
だんなは、だまってきいている。パーツが画面からはみだしてしまって、よくわからないからだ。わたしも話をきいてうなずいているばかりだった。
体重1369グラム。羊水の量もいまのところ問題なさそうだ。この婦人科での検診は、きょうまでになる。次回からは、日赤医療センターで妊娠検診をうけることになる。受付で日赤医療センターにわたす紹介状をうけとった。
「元気な赤ちゃんを産んでくださいね」
「はい。ありがとうございます」
身がひきしまる思いだ。いままでお世話になりました。つぎにお会いしたときには、うれしい報告ができますように。1日1日、大切にすごします。