仕事のあと18時半から、会社の人材育成プログラムに参加した。もちろんインストラクターではなく受講生としてだ。40代から50代の参加希望者すべてを対象としている講座だ。わたしのような年齢になっても、学びの場があるのがうれしい。社会人になって長いから、学びなおす、といったほうがいいのかな。募集がきてからのまわりの反応を見ると、思ったよりもネガティブな人が多かったのにおどろいた。配置転換や出向のワナにちがいない、とか、リストラをするつもりじゃないの、とか。ほんとうのところはわからない。でも、これってチャンスになるにちがいない、と信じている。資料には、組織人材の活性化と個人の自律的なキャリア育成、と書かれている。のぞむところだ。まだまだこれから長い人生だもの、後半戦をのりきるためにはスキルとノウハウが必要だ。
教室には25人くらいの参加者があつまった。男性がほとんどだが、女性も何人かいる。みんな、わたしとおなじように好奇心を抱いて参加しているようだ。これから11月末までの2か月間、このメンバーで研修を受けていく。どんな展開になるのかたのしみだ。きょうは3時間、ふたつのテーマで学んでいく。ひとつめのテーマは、思いこみの鎖を知ること。わたしたちが常識とよんでいることのほとんどが思いこみだったりする。それを客観的に見なおそうという、グループワークだ。ある企業の実例をもとに、チームにわかれてどこに思いこみの鎖があったかをディスカッションしていく。こういったことは、みんな得意分野だ。ふたつめのテーマは、思考フレームをひろげること。この作業でいきなり大苦戦してしまった。あなたの仕事を説明してください、との質問にこたえて、シートにサラサラと記入する。よし、よし。では、それを小学生にわかるように書きなおしてください、と新たなお題がきた。えっ、クリエイティブはどういうの。コミュニケーションってなんだっけ。日ごろからいいかげんにつかっていたことばの多いこと、多いこと。ある人は、ブランド価値、と書いたシートを目の前に置きながら、腕を組んで考えこんでいた。なんとか書きなおしたところで、インストラクターに声をかけられた。ほめてもらえるかな。
「ああ、おしいですねえ」
「えーっ、どこがまずいですか」
「ここに、広告って書いてありますよね。広告じゃあ子どもにはつうじないと思いますよ。もうちょっと考えてみましょう」
広告じゃあ伝わらないか。考えなおしてみる。なかなか、むずかしいぞ。