10月11日、悩めるパパへ。(妊娠28週2日)

 9時半から妊娠検診。きょうはいつもより混んでいるなあ。夫婦で検診にきている妊婦さんもたくさんいるようだ。土曜日だから仕事が忙しいだんなさんもスケジュールを調整しやすいのだろう。検尿をとり血圧と体重を測って、ロビーで待つ。だんなとはすこし離れた席に座って待っていた。90分くらいは待っただろうか。そのあいだにだんなはこんな体験をしていたという。
 だんなの横の席に20代後半くらいの女性が座っていた。朝からとてもつらそうだ。うつむいたままぐったりしている。看護師さんが来て声をかけた。
「朝ごはん、たべてきましたか」
女性はだまって、首を横にふっている。
「お水はのんでいますか」
だまって首を横にふったあと、ぽつりとつぶやいた。
「…してください」
看護師さんが近づいて耳をかたむける。
「おねがい、点滴してください」
つわりがひどいようだ。いままでにも点滴をうけたことがあるらしい。
「きょうはベッドが埋まっているので、すわったままでもいいですか」
看護師さんが声をかける。
「なんでもいいです、すぐに点滴おねがいします」
そして女性は、診察室へすみやかに案内されていった。だんなはその一部始終を見ておそれおののいていたらしい。つわりってこわいわ、と、つくづく思ったんだそうだ。そういえば以前、日赤医療センターの妊娠クラスに参加したときにもパパさん同士のなかでこんな話が出ていたんだっけ。奥さんのつわりがひどくて見ていられない。出産はこれ以上つらいのかと思うと、立ち会い出産をする気にもなれないんですよ、と悩みをうちあけていた。つわりになる人とならない人のちがいについてはまだ科学的に証明されていない。ママのからだのなかによどんでいる、ひとつひとつをていねいに浄化してくれるんだ。そう思えば、のりこえることができるだろうか。パパにも立ち会ってもらいたい。

 きょうもそうすけは元気そうだ。推定体重1284グラム。とうとう1キロを超えた。もっともっとつよく大きくなって、みんなをおどろかせてごらん。