10月19日、冷えにご用心。(妊娠29週3日)

 きょうは、からだのメンテナンスデーだ。マタニティヨガでじっくりあたためながらほぐして、鍼灸マッサージで循環をよくして、フェイシャルエステで肌を仕あげる。スペシャルコースだ。じつはたまたま予約がこの日に集中しただけなのだが。まめにかようのがニガテなわたしにはちょうどいい。遅刻しないように気をつけなければ。それだけは心づもりしていた。時間をまもるつもりが逆にハプニングを引きおこすきっかけになろうとは、思ってもみなかった。

 マタニティヨガのあと、カフェでかるくランチをとることにした。なんにしようかな。せっかくだから、からだにいいものを選びたい。たまごと野菜のサンドイッチと、いちごとバナナのスムージーをオーダーした。スムージーはいつもMサイズだが、思った以上に汗をかいてのどがかわいていたので、Lサイズにした。しばらく待つと、スムージーの入ったグラスがきた。ジョッキほどの大きなグラスだ。こんなにいっぱいのみきれるかな。まぁだいじょうぶだよね。スムージーだいすきだし、おいしいし。トレーをもってテーブルへ。
 ひと口のんだら、きゅーん、と、のどにきた。おいしい。でも、思った以上に冷たい。のどから胃へ冷たさがすべり落ちていく。胃のあたりにとどいたところで、おなかのなかのそうすけがおどろいたみたいだ。ぼこ、ぼこ、と、いつもよりもはげしく内側をキックしてくる。あああ、ごめんよお、そうすけ。そうだった。胃と子宮はとても近くにあるため、胃に入ったものの熱が伝わりやすいという。からだが冷えると血流がわるくなり、赤ちゃんへ酸素が運ばれなくなる。だから、赤ちゃんにとっては冷えが大敵なのだ。助産師さんの話によると、冷えで逆子になりやすくなるという。胃に冷たいものが入ってくると、赤ちゃんはおしりがひやっとするのがいやなので、じぶんのおしりをお母さんの胃から遠ざけるようにして逆子になっていく。そうだよなあ。冷たい椅子には長時間もすわっていられない。頭寒足熱にすわりなおしたくなるだろう。

 すこしずつ、すこしずつ、ムリしないように気をつけてのんだけれど。しばらくのあいだ、そうすけのキックはとまらなかった。おなかをあたためようと両手でさすっていると、もこ、もこ、と、おだやかな動きにもどってきたのでほっとした。冷たいものをいつものノリでぱっとのまないように、日ごろから気をつけよう。いまちょうどおなかのなかでウォーミングアップしているであろう、そうすけの姿を想像しながら、あらためて思った。あと2か月半だね。