11月27日、ふと思いたって。(妊娠35週0日)

 仕事帰りにふと思いたって、まつ毛カールへ。前回の施術から2か月近く経っている。まつげにもバラつきがめだってきた。目ぢからをアップしてしっかりととのえて、産休前のさいごの1日をすがすがしくむかえよう。と冷静に考えられたらいいけれど。いまにもスキップしてしまいそうなくらい、気もちがワクワクしている。いまの仕事場で18年間はたらいてきたが、長期休暇をとるのは今回がはじめてだ。新婚旅行も行きそびれていたんだよね、ホント。この体験は、神さまがくれたチャンスだとつくづく思う。そうすけといっしょに、ちからをしっかりたくわえよう。ありのままの世界を、ぱっちり目を開いて見つめるのだ。

「先ほどお電話した神戸です」
「わぁ、立派なおなかになりましたねえ」
「あはは、ありがとうございます」
「ご気分がわるくなったら、すぐにお知らせくださいね」
「だいじょうぶです、ありがとう」
だいじょうぶ、ありがとう。そうすけには、ほんとうに感謝している。いままでに、いちどもつらいめに会ったことがない。きょうもまつ毛カールをたのしませてもらっている。パーマ液のにおいで気もちわるくなることもない。高齢出産を気づかってくれているのかなあ。と、あらためて思う。もし、そうすけがおなかのなかにいたころのことを教えてくれるなら、ひとつのこらず話をきいてあげたい。早く会いたい。でも、ずっといっしょにこうしていたいとも思う。

「予定日はいつですか」
「来年の元旦だっていわれています」
「いそがしそう」
「思いきりおさわがせしそうなカンジですよね」
「わたしの友人も4月に出産予定なんですよ。4月1日のエイプリルフール」
「えっ、4月1日が予定日ですか」
「1日ちがうだけで学年がかわっちゃうから、どうしようって」
「きっと、男の子なら4月生まれ、女の子なら早生まれ希望でしょう」
「そう、そう、そう」
「男の子ならからだが大きくてたよりがいのあるほうがいい。女の子なら1日でも若くてかわいらしいほうがいい。でも、ぜんぶおとなの理屈ですよね」