11月21日、NSTってなに。(妊娠34週1日)

 遅めの午後、日赤医療センターへ。きょうの検診は、たしかめることがたくさんある。採血をして血圧と体重をはかり、検尿を提出して、NSTルームへ移動した。NSTとはノンストレステストの略で、ストレスのない状態、つまり陣痛のない状態で検査をして、赤ちゃんが元気かどうか、お産に耐えられるかどうかを調べる。胎児の心拍をはかって調べるので、胎児心拍数モニタリング、とか、モニター、ともいわれる。妊娠後期にほとんどの人がうけている検査だという。どんな検査だろう。NSTルームに入ると、リフレクソロジーサロンのようなリラックスチェアがならんでいた。いやしの空間だ。そばには分娩監視装置とよばれる機械がある。これをつかって、おなかにふたつのセンサーをつける。ひとつは、赤ちゃんの心拍をとるセンサー。もうひとつは、おなかの張りをキャッチするセンサー。センサーをおなかにぺたっと押しつけるようにして、ベルトで巻いて固定する。ゆるすぎるとキャッチできなくなるので、すこしきつめにしてベルトを巻く。あとはひたすら、リラックス、リラックス。30分から40分くらいかけてモニターをチェックする。機械から、トン、トン、トン、トン、とリズミカルにきこえてくるそうすけの心音をしばらくたしかめていよう。

 分娩監視装置から、赤ちゃんの心拍とおなかの張りを記録したグラフがレシートのような紙で出てくる。グラフを見ると上下に2本の波線がならんでいる。上の波線はそうすけの心拍、下の波線はおなかの張り。胎動のグラフも、自動的に記録されているようだ。上の波線でわかる赤ちゃんの心拍は、ギザギザが多いほど元気な証拠。わたしはすっかりカンちがいして、ギザギザが出るたびにびっくりしながら、助産師さんに、だいじょうぶですか、ときいていた。心拍数は、120~160回くらいが正常値。赤ちゃんが動いたときに、心拍数があがりグラフに山ができるのが元気なしるし。おとなも運動したあとには、ドキドキして心拍数が上がる。赤ちゃんだっておんなじだ。下の波線は、おなかの張りをキャッチすると山ができる。張りがないときにはまっすぐになる。赤ちゃんの胎動や妊婦のからだの動きをキャッチして、多少乱れることもある。検査のあいだに1回くらいおなかが張っても、だいじょうぶ。前駆陣痛といって、陣痛の準備なので異常なことではないそうだ。予定日が近ければ、なんどか繰りかえして張ってもいいくらいだ。早産の時期なのにひんぱんにおなかが張ったり、痛みがある場合には気をつけよう。わたしのおなかは、張りもなく心配はなさそうだ。

 NSTのあと、採血の結果が出た。甲状腺ホルモンの分泌が不足しているとのこと。薬をのんで、しばらく様子をみることになった。甲状腺の機能が低下してくると、どんなことが起こるだろう。調べてみたところ、むくみ、お肌の乾燥、さむがりになる、たべてなくても体重がふえる、無気力になりあたまの回転がにぶくなる、など、ストレスがたまりそうなことばかりだ。ここはムリしないでゆっくりすごすことにしよう。家でのんびり風呂にでも入ろう。