12月2日、自由をたのしむ。(妊娠35週5日)

 だっこひもを、通販でオーダーした。きのうのプレママランチで話題に出ていたタイプだ。家に帰ってネットで検索をして、ユーザーの口コミを読んで、ますます興味をそそられてしまった。バックルもストラップもスナップも一切ついていない、ラップスタイルのだっこひも。シンプルな一枚生地をからだに密着させてただ巻くだけ。肩や腰にくいこむことがなく、赤ちゃんの体重を均等に分散することができるので、赤ちゃんにもお母さんにも安全で気もちよくつかえるそうだ。新生児からすぐにつかえるのも魅力だ。有名ブランドや、横抱きだっこひもや、むかしながらのおんぶひもや、選択肢はいろいろあるけれど。すこしずつためしてみて、そうすけと相性のいいものを探っていこう。

 産休に入ってから2日め。午前中にメールのやりとりをして、午後はマタニティヨガへ。いつもカバンに入れてもち歩いているノートパソコンを、きょうは家に置いてきた。たったそれだけのことで、ものすごい解放感につつまれている。プレママランチのみんなはわたしより早く産休に入っていた。さぞかし満喫しているでしょう、ときいたら、1週間であきたという。うれしいのも最初のうちだけかもなあ。わたしは産休に入ってからも原稿の管理をつづけているので、時間をもてあますほどのゆとりはなさそうだ。ありがたく、産休をたのしむことができるだろう。そうすけが生まれるまでの期間限定だけど。

 ヨガが終わって、遅めのランチをどこでたべようかな、と、銀座をぶらぶらする。これがいわゆる、銀ぶら、っていうものね。銀座でブラジルコーヒーをのむから、銀ブラ、という説もあるらしいけれど。どっちがほんとうの語源なんだろう。ぶらぶら歩きながら、ぶらぶら考えながら、けっきょくカキフライのおいしい店に入ることにした。またカキだ。3日前にたべたばかりなのにやっぱりたべたい。このこだわりは、どこからきているのだろう。でも、からだがほしがっているのだからよしとしよう。店に入ると、さっそくおねえさんにカキフライ定食を注文した。おねえさんとよんでいるが、還暦をすぎているおねえさんだ。言葉も行動もマイペース。自由をたのしんでいるんだなあ、この人も。