12月21日、たのしむ気もち。(妊娠38週3日)

「お昼、どこにする」
「おいしいパンが、たべたいなあ」
「パン」
「なんか無性にたべたくて」
午前のヨガに参加して、だんなとぶらぶらランチに出かける。あんまり汗は出なかったけれど、ぽかぽかあたたまったからだに、外気がひんやりして気もちがいい。銀座の歩行者天国をとおって丸の内へ向かった。パンがおいしいと評判のブラッスリーがある。ちょうどランチに間にあうタイミングだ。人気のお店だからちょっと待つかもなあ。でも、たべたい気もちがあればなんのその。
「いらっしゃいませ」
「どのくらい待ちますか?」
「うーん、そうですね…早くても30分はかかるかと」
「わかりました」
受付のシートに名前を書いて順番を待つ。おいしいものには目がないふたりだもの、なんのこれしき。30分ほど時間があるので、店の近くを歩いて待つことにした。このあたりはほかにもおいしいと評判の店がいくつかある。どの店にも、たくさんのお客さんがならんで順番を待っていた。みんなのランチにかけるあつい思いをひしひしと感じる。生きるパワーが目にあふれている。

 店にもどってみると、わたしたちよりも前にきていた家族がまだ順番を待っていた。この様子であれば、あと15分から20分はかかるだろう。2歳くらいの女の子をだっこしたお父さんが、さっき見たときとおなじ体勢でにこにこしながら女の子をあやしていた。すごい忍耐力だよなあ。というよりも、待つという状況を子どもといっしょにたのしんでいる。なんてステキな親子だろう。
「あんなふうに待てるかな」
「どうだろう。でも、すごくいいね」
待つだけではなく待つことをたのしむ気もちがあるからこそ、ハッピーになるんだ。どんなこともたのしむ気もちをもつことで毎日をよりよくできる。