2月25日、添い寝しよう。(生後63日)

 そうすけがワクチンを接種してから1日がすぎた。体温36.7度。副作用はなさそうだ。よかった、よかった。きのう家に帰ってからずっと、ごきげんななめがつづいていた。とにかく、よく泣いていた。小さなからだで、よくがんばったもんだ。はじめて行くお医者さんで、はじめて会うおとなたちにかこまれて。泣きたいだけ、泣きなさい。と、いいたいところだが、きょうは平日。夜どおし泣きつづけられては、だんなもたまったもんじゃない。
「そうすけ、こっちで寝よう」
「いっしょのベッドだよ、気もちいいねえ」
けっきょく、3人で添い寝することにした。このごろ添い寝率がどんどん高まっている。ぴたっと寄りそって眠るのは、体温をわけあったり、しあわせな気もちを共有したり、親子のきずなを深めたり、そのここちよさは、かけがえのないものだ。いっぽうで、ベビーベッドばなれが加速度的にすすんできているのが気になる。そうすけにとってはもはや、ベビーベッドは一時休憩所だったりするのかもしれない。いや、おむつ交換所といったところか。とにかく、長居するのをいやがっているようだ。からだが大きくなってきたのも影響しているのだろうか。だんなの腕まくらで、いつものようにすやすや眠りはじめた。

「このベッド、だいすきだね」
「0歳だからこそ、品質のよさがわかるのかもね」
そう、このベッドにはこだわりがある。たとえ出張や旅行でどんなところへ出かけても、家に帰ったら、ここがいちばん、と思えるようにホテルよりも寝ごこちのいいベッドを選んだのだ。一生もんだから、いままでになく奮発した。わたしが40歳をすぎてはじめて寝ることができた高級ベッドを、そうすけは0歳で体験している。うらやましいかぎりだ。でもいま、こうして、すきなベッドで家族でいっしょに心ゆくまで眠れるからこそ気もちよく感じられるのかもしれない。ぱかっと口を開いたまま寝ているそうすけを見ながら思った。