2月27日、入園内定面接。(生後65日)

 12時半、保育園の面接と健康診断に行った。そうすけは、服とおそろいの帽子をかぶってごきげんだ。春の陽ざしのもと、ベビーカーにカタカタゆられながらまぶしそうに目をつぶっている。まだ、太陽の光になれていないのかな。肌にあたる風が冷たくて、気もちいい。いい天気でよかったね。もっとあたたかくなったら、いっぱいおさんぽしよう。保育園の前には、たくさんのベビーカーがならんでいた。ほら、そうすけの友だちがきているよ。

 受付を済ませて会議室に入ると、お父さんやお母さんといっしょに10人ほどの0歳児がきていた。みんな大きいなあ。0歳児のなかでも、生後2か月のそうすけが、いちばんのちびちゃんだ。月齢がちがうだけで、こんなに印象がちがって見えるとは。見ためより愛嬌で勝負しよう。副園長先生が、パンフレットを確認しながら説明をすすめていく。やさしい声だ。副園長先生の前にいた女の子が、先生のパンフレットをぐいぐい引っぱりはじめる。となりにいる男の子も、目の前にあるおもちゃをかたっぱしからばたばた倒しはじめる。自由な空気を感じてなのか、みんなが思い思いに動きはじめた。そんななか、そうすけはじっと、目をつぶっている。いや、はっきりとは見えないが、うす目を開けているのかもしれない。だんなが笑いながらその様子を見ている。ふと、だんなの若いころを思いだした。似ている。そうすけと、だんなが。大勢のなかにいるときに、そーっと様子をうかがっているようなところがあったなあ。なにを考えているのかが気になって、いつのまにかいつもそばにいた。そうすけにも、そのDNAが受けつがれているのだろうか。おっと、もうすこしで副園長先生の説明をききのがしてしまうところだった。説明がひととおり終わると、個々にわかれて先生と面談をした。提出書類の確認や、保育園にかようときに必要な準備を教えてもらった。面接だと思っていたものは、このことだった。これって入園決定ですよね、と、念のため先生にきくと、もちろんです、と、はずむような声で返事がきた。このあと健康診断と夜間保育の確認をしますね、と案内されて入園が決まったことをあらためて自覚した。健康診断も無事に終わり、夜間保育については、わたしがフレックス勤務のため復帰して落ちついたタイミングでもういちど時間を確認しましょう、ということになった。そうすけは保育園にいるあいだ、いちども泣かなかった。帰ってすぐ、大泣きしていたが。