3月26日、あったかランチ。(生後92日)

 きのうは、そうすけとだんなと3人で川の字になって寝た。そうすけは両手をひろげて、すっかり安心した顔で眠っていた。左がお父さん、右がお母さん。たしかめるように、ぎゅっと手をにぎってくる。そのしぐさがかわいくて、ついついぎゅっとにぎりかえしてしまう。いかん、いかん、せっかく眠ろうとしているのにコーフンさせてしまうではないか。しっかり休んで、ちゃんと熱が下がりますように。だんなもわたしも、朝まで添い寝することにした。

 そのおかげか、朝にはすっかり平熱にもどった。そうすけをもういちど小児科に連れていかなくてもよくなった。ほっとした。ほっとしたら、おなかが空いてきた。夜から朝まで、ほしがるたびにおっぱいをあげたからだろう。早く寝るとなんども授乳で起こされるから、たいへんだ。だったら、寝ないで起きているほうがラクなんじゃないか。夜型のわたしにはぴったりかも。と思っていたが、時差ボケのようにへろへろになるだけだった。へろへろなうえにおなかが空いてしまっては、よろしくない。ごはんをたべよう。天気もいいので、そうすけと外に出かけて早めの昼ごはんをたべることにした。どこに行こうかな。

いつも五反田方面へ歩くことが多いので、大崎方面にしようか。ベビーカーをカタカタとゆらしながら、目黒川沿いをすすんでいく。そうすけは、ぱっちり目を開けている。元気そうだ。熱が下がってほんとうによかった、と、あらためて思う。川のほとりの桜がいまにも咲きそうだ。この週末には満開になるだろう。たのしみだね。あたたかい春の陽ざしをあびて、そうすけはまぶしそうに顔をゆがめる。それから、大きくのびをした。自信にあふれている。

 ベビーカーでも入れそうなレストランを探していたら、パンの香ばしい匂いがした。焼きたてのパンが、たべ放題。よし、ここにしよう。ベビーカーですがいいですか、と念のためきいてみると、ウエイトレスさんが居心地のいい場所へ案内してくれた。昼ごはんをたべているあいだ、そうすけはおだやかな視線で食卓をじっと見ていた。いちども泣きださなかった。いっしょにたべたいよね。これでおっぱいをつくったら、いっしょにたべられるね。