4月20日、第2のおうち。(生後117日)

 きょうは、2度めの保育園だ。そろそろ、そうすけが本音を出してくるころだろう。保育園をすきになってくれますように。安心して哺乳びんのミルクをのんでくれますように。初日にもっていくのを忘れていたスタイとよばれるよだれかけや、エコバッグ、ビニール袋を準備した。追加の冷凍母乳も多めにつくっておいた。約束の12時ちょっと前に保育園に着いた。ちょうどお昼の時間だ。0歳児の部屋に行く途中で、子どもたちがきちんと椅子に腰かけて食卓に向かっている様子が見えた。みんな、行儀よくたべているなあ。

「かんべそうすけです、こんにちはー」
「そうすけくん、こんにちは」
副園長先生にだっこされてそうすけは、にまっと笑っている。よしよし、その調子。もってきたものをロッカーに入れて、連絡帳を開いて先生に確認してもらった。1日あたりのおっぱいをあげる回数を減らして、いちどにたくさんのめるように練習していること、保育園とおなじ哺乳びんとミルクを入手したことを報告した。家でもおなじようにすごせば、早くなれるだろう。
「おっぱいは、のんだ時間も記入しましょうね」
「睡眠時間は、帯で書いてくださいね」
テキパキと副園長先生のチェックが入る。時間を正確に知ることは、生活のリズムをつかむためにもたいへん大切なのだ。これからは、気をつけよう。
「きっと、すぐになれますよ」
「ありがとうございます」
「お仕事、いってらっしゃい」

 打合せが終わって時計を見ると、おむかえに行く約束の17時までまだ2時間以上もあった。わあっと解放された気分になる。近くのカフェでもってきたノートパソコンを開いた。ああ、こんなことができるのもひさしぶりだなあ。ひとりでのんびり紅茶をのみながら、メールをチェックしたり、ネットをぶらぶらしてみる。たったこれだけのことなのに、ものすごくリフレッシュできた。保育園に顔を出すと、そうすけがいまにも眠りそうなここちよさそうな顔をして、あい先生にだっこされていた。たのしく、すごせたようだ。
「70ccのみましたよ」
「よかった、前よりふえましたね」
「そうすけ、ばんざーい」
よろこびのあまりそうすけの両手をばんざいさせて起こしてしまった。それでも笑っていてくれたのでよかった。これからも、保育園をもうひとつのおうちだと思って、こころから安心して、のーんびりすごしてくれますように。