4月25日、うれしい約束。(生後122日)

 朝から、そうすけがぐずっている。あまえんぼモード全開だ。だんなも、わたしも、だっこしたり、歌をうたったり、あそんだり、いろいろやってみるが長つづきしない。おっぱいをあげてものみ終わるとすぐに泣きだす。こんな日には持久戦をたのしむくらいにすごしたほうがいいみたいだ。そうすけがぐずるのはたいてい、横になっているのがいやなときが多い。膝の上にすわらせると、いったん泣きやむ。泣きだしたら、だっこする。鏡に向かって鏡のなかのそうすけに話しかけると、ぴたっと泣きやむ。これでよし。とベッドに寝かせると、泣きだしてふりだしにもどる。つまり、わたしたちが100%そうすけに向きあっていればごきげんでいてくれるわけだ。わかりやすいなあ。

 夕方、おさんぽに出かけることにした。午後早めに出るつもりが、ずるずる遅れてしまった。だんながそうすけをだっこしてわたしが身支度をととのえていると、そうすけはなにか気配を感じたのだろう。さっきまで泣いていたのをぴたっとやめて、まわりの様子をうかがいはじめた。おさんぽできるのが、うれしかったのかな。ベビーカーにのせると、ちんまりすわってにこにこ笑顔になった。エレベーターで1階に下りているあいだも、ごきげん、ごきげん。外に出てここちよい風にあたりながら歩けば、親子もみんな開放的な気分になってくる。そうすけも、あー、うー、あー、うー、とおしゃべりがはずむ。

 きょうはおさんぽがてら、早めの晩ごはんをたべて帰ることにした。近所にできたばかりの焼肉屋さんは、きれいで落ちついたおとなっぽい雰囲気にもかかわらずベビーカーで入店できる素敵な店だ。だんなはビール、わたしはジンジャーエールで乾杯をした。前菜のあと、眼鏡をかけた愛嬌のある店員のおねえさんがお肉を運んできた。そうすけがお肉に興味をもったのか視線を向けた。と思いきや、おねえさんを凝視している。おねえさんもそのアツい視線に気づいて、にっこり笑いながらそうすけに声をかけてくれた。
「はじめまして。ちっちゃくて、かわいいですねえ」
「そうすけっていいます。そうちゃん」
「そうちゃん、おいくつですか」
「4か月です」
「わー、4か月ですか。かわいいなあ」
おねえさんはすっかりそうすけのファンになってくれたみたいで、お肉をテーブルに置いたあとも、そばでずっと語りかけてくれた。テールスープクッパを頼むと、そうちゃんもたべたいよねーとジョークをいいながら、ふたつに取り分けてくれた。おねえさんは、そうすけに約束をかわした。いつか焼肉をたべられるようになったら、ぜひきてね。そのときにはカルビもロースもごちそうしちゃうから。小さな子どものお客さんでも、小さく焼き肉を刻んでもりもりたべているらしい。よかったね、そうすけ。いつかたべよう。そうすけも、あーい、とよろこんでいた。おねえさんとの会話がよっぽどうれしかったのだろう、そうすけは家に帰っておっぱいをのんだあと6時間近くも深い眠りについた。