4月29日、はじめての投薬。(生後126日)

 そうすけは、もっている男だ。生まれてくるときにも天皇誕生日の祝日に産気づいて、だんなが立ち会うことができた。はじめてのかぜは、昭和天皇の誕生日である昭和の日。またまただんなの休日で、まる1日いっしょにすごすことができちゃうわけだ。まずは小児科からもらった薬をそうすけにあげることにした。ピンク色の粉薬を手のひらで少量の水と混ぜてだんご状にすると、それをわたしの指にのせてそうすけの口の奥に入れる。じょうずに入れることができなくて、そうすけの口のまわりが薬のピンク色に染まっている。だんながそれを口におしこみ、白湯をそうすけの口に流しこんだ。そうすけは大泣きだ。でも薬をもうひとつのまなくてはならない。さっきの薬は抗生物質で感染症を治すもの。こんどの薬はせきや鼻水をとめるもの。スプーンにのせて水で溶かして、そうすけの口に流しこんだ。こちらのほうが苦いのか、もっと大泣きしている。すぐにおっぱいをあげた。鼻水をぐじゅぐじゅさせながらいっしょうけんめいにのんでいる。ほんとうにごめんよ、そうすけ。

 夜が明けて、そうすけの熱を測ると37度にまで下がっていた。ロンパースが汗でびっしょりだったので、風呂に入れることにした。小児科の先生からも37度まで熱が下がってきげんもよければ風呂に入れてもいい、とアドバイスをもらっている。だいすきなおふろで気分転換しよう。鼻水もとってきれいにしよう。そうすけはすっかりごきげんで、にこにこ笑顔を見せるまで回復してきた。風呂から出てベビーベッドに寝かすと、あー、うー、あー、うー、とはしゃいでいた。いつものそうすけにもどってきた。いつもとすこしちがうのは、鼻水が出ることくらいだ。ただこれがやっかいで、くしゃみをするたびにどさっと出る。しかもそれはすぐに、そうすけの鼻のなかに吸いこまれてしまう。そのままにすると、ふが、ふが、と息苦しそうなので、くしゃみのたびにティッシュでふきとらなければならない。鼻水をふきとるとうれしそうな顔で、あー、うー、あー、うー、とこたえてくれる。かぜが治るまでもうすこしのがまんだ。きょうは1日そうすけとゆっくりすごそう。