5月1日、ほめてのびる。(生後128日)

 ママ友だちからつぎつぎと、かぜの情報が寄せられた。いま保育園でかぜが流行っているらしい。それだけでなくインフルエンザも流行っているそうだ。子どもからインフルエンザをもらってダウンしている親がたくさんいるんだとか。たいへんだなあ。しかも、たいていうつった親のほうが子どもより重い症状になっているという。若さのちがいだったりして。調べてみると、子どものころにはまだ免疫の寛容のようなものがあってかるい症状で済んでしまうところが、おとなになると免疫の有無がはっきりしてきてウイルスと真っ向勝負してしまうからたいへんだ、と書かれている記事があった。たしかにおとなになればなるほど、からだもこころも融通がきかなくなってくる。

 そうすけの熱は37.1度まで下がった。鼻水とせきはちゃんと治るまでもうすこしかかりそうだ。あしたから連休に入るので、念のため小児科で診てもらうことにした。14時30分過ぎに小児科のウェブ受付をした。いま受付しておけば夕方には診てもらえるだろう。167番の受付番号をもらって、診察を受けているのが103番だった。これっていまから64人待ちってことになるんですよね、とつい受付で質問してしまった。連休前の診察ラッシュほどこわいものはない。診てはもらえるけれど、夜まで待つかもしれない。のんびり待つことにするか。

 待っているうちに、だんなが帰ってきた。心配だったのか、いつもよりも早めに帰ってきてくれた。ウェブ受付を確認すると、あと7人ほどで順番がまわってきそうだった。ちょうど電話の応対でばたばたしていると、だんなが、そうすけと小児科に行ってくるよと、ぱっと着がえて出ていった。わたしも遅れて小児科に顔を出すと、ロビーにふたりの姿はなく、ちょうど診察を受けているところだった。診察室から出てきたふたりが笑顔だったのを見てほっとした。
「どうだった」
「よくなってきてるよ。抗生剤はいまの薬をのみきればだいじょうぶ」
「よかった」
「のどと鼻に効く新しい薬とあせもにぬるクリームを出しますって」
「胸のあせもまで診てくれたんだ」
「あと笑顔がかわいいねえってほめられたよ。うれしいねえ、そうすけ」
だんなも、そうすけも、顔がにまにましていたのはそれだったのか。ほめられるとのびるタイプにちがいない。そうすけも、だんなも、わたしも。