5月14日、セカンドオピニオン。(生後141日)

 保育園の帰りに、そうすけと小児科へ行った。いつもかよっている家の近くの小児科は木曜日の午後がお休みなので、ちょっと歩くけれど五反田駅の近くの小児科へ行くことにした。ネットで調べてみると、お母さんからの評判がいいみたいで、子どもが泣く前にワクチンを打ち終わったなどと書かれている。子どもが泣く前に注射し終わってしまうとは、すばらしく手際がいいんだろうなあ。かかりつけ医がふたりいると安心できる。そうすけは、はじめてとおる道に目をぱちくりさせていた。コンコンが治るようにお医者さんに診てもらうんだよーと話しかけると、にまっと笑った。わかっているのだろうか。

 連休明けにもういちど近くの小児科で診てもらって、かぜはよくなったので薬はいいでしょうといわれているが、夜になるとせきが出る。のどにたんがからむのか、なんどもせきを繰りかえしている。加湿器で湿度をたもつようにしているけれど効果がないようだ。週末には母や兄夫妻がそうすけに会いにくる。いまのうちに診てもらっておこう。小児科はマンションの一室にある。入口の段差でもたもたしていると、マンションの住人らしき若い男性がベビーカーをもちあげるのを手つだってくれた。この国にはまだ親切な人がたくさんいる。みんなの愛情を受けとって、人はおとなになるんだなあ。と、あらためて実感する。

 こじんまりとした家庭的な小児科だった。そうすけの健康保険証とこども医療証、母子健康手帳を提出して、初診受付シートに記入した。完全予約制で、わたしたちの前には親子は1組しかいなかった。3、4歳くらいの女の子とお母さんがワクチンを受けにきていた。女の子はにこにこ笑いながら、先生とおしゃべりをしている。やっぱり、注射のうわさはほんとうだったようだ。

 そうすけの名前がよばれた。明るい診察室に、大柄なおじいさん先生が待っていた。はじめに全身をチェックさせてくださいねーと看護師さんにうながされておむつ1枚になった。体重、体温をたしかめてから、触診をした。体重6.88キログラム。かぜをひいてからずっと体重がとまっていたので、すこしでもふえていてよかった。のどや舌、鼓膜の状態も診てもらった。どうだろうか。
「うん、薬いらないねえ」
「だいじょうぶですかね」
「うん、だいじょうぶですよ」
あっという間に、診察が終わった。おっぱいの出はどうですか、と先生にきかれて、保育園へもっていく冷凍母乳が間にあわなくて、と話したら、このごろのミルクは母乳と栄養がほとんどかわらないから心配しなくてもいいんだよ、といわれた。ほっとした。もちろん、免疫力をつけるという面では母乳のほうがすぐれているそうだ。また気になることがあったらきてね、といわれて、これからお世話になります、とこたえた。かかりつけ医がふたりできて、よかった。