5月30日、ヨガの出会い。(生後157日)

 そうすけは朝から元気だ。心配していた熱も出ず、ジャンプのおもちゃであそんでいる。よかった、よかった。朝ごはんをたべてひと休みすると、だんながヨガへ出かけていった。1時間ほど経ってから、わたしたちも出かける準備をはじめた。だんながヨガを終えるタイミングにあわせて、そうすけとスタジオへ行くためだ。以前、早めに家を出てデパートの授乳室でおっぱいをあげて行こうとしたら、混んでいて10分ほど待ったことがある。家でのませてから出かけることにしよう。そうすけは、時間どおりにのんでくれるだろうか。一気にのめるように哺乳びんにミルクもスタンバイしておいて、おっぱいをあげると、両手で抱えるようにつかんでぐいぐいのみはじめた。この調子なら、遅れずに出られそうだ。と思っていたら、ぎりぎりまでおっぱいをくわえられてこまってしまった。

 つぎのレッスンの30分ほど前に、ヨガのスタジオに着いた。だんなが出てくるまで、ロビーで待たせてもらった。レッスンを終えて帰る人や、これからレッスンに入る人で、ロビーは混雑している。そうすけは、ベビーカーのなかで目をきらきらさせながら、じっと人の動きを追っていた。ヨガウェアに着がえたきれいなおねえさんが、そうすけに近づいてきた。えみさん、だ。わたしが妊娠する前からずっとレッスンにかよっていて、おなかが大きくなっていく様子を見まもりながら、こころのなかでエールを送っていてくれたそうだ。あのおなかからこの子が誕生したのかーと、目をぱちくりさせている。そうすけが、笑っている。えみさんが、かわいい、と声をあげる。ロビーの人の視線が、わあっとそうすけにあつまる。こういうときのそうすけは無敵だ。みんなのアイドルだ。

「握手してあげると、よろこぶよ」
「いや、わたし、手を消毒してないから」
「だいじょうぶだよ」
「じゃあ、足さわってもいいかな」
「どうぞ、さわって」
そうすけが足をにぎられてよろこんでいると、ヨガを終えただんながロビーにあらわれた。きょうも、ゆでだこのようにまっ赤になっている。そうすけをあずけて、わたしがレッスンに入った。いきなりえみさんとのお別れの時間がおとずれたので、泣きそうな顔になっているそうすけ。また、会いに来ようね。