5月5日、公園デビュー。(生後132日)

 そうすけの熱が36度台に落ちついてきた。気になっていたせきも、鼻水も、あともうすこしのしんぼうだ。本人はいたって元気な様子。部屋のなかにこもってなんかいられないぜ、と気迫さえ感じる。そうだ、きょうは子どもの日。そうすけが主役の日なのだ。いままで行ったことのない公園に出かけてみよう。はじめての体験なので、公園デビューといってもいいかもしれない。

 家から歩いて20分ほどのところに、かいじゅう公園とよばれる、大きな恐竜のオブジェが子どもたちに人気の公園がある。片道20分なら、連休の運動不足にもちょうどいい。さっそくベビーカーで出かけよう。おさんぽできるとわかったとたん、そうすけは大よろこび。わたしが身支度にもたもたしていると、早く出かけようよ、あー、うー、と、だんなといっしょに催促されてしまった。せめて日焼け止めだけはぬっておきたい。ベビーカーをぐいぐい押して二の腕を刺激するようにしながら、やや早足で目黒川の川沿いを歩く。ときどきジョギングをする人とすれちがう。そうすけはさわやかな笑顔であいさつをかわしていた。生まれながらにしてスポーツマンシップを抱いているようだ。

 公園に着くと、たくさんの子どもたちがお父さんやお母さんといっしょにあそんでいた。走りまわってころんで笑っている男の子、ブランコをぐんぐんこいでいる女の子。ほんとうに、たくさんきてるなあ。平日の保育園を見ているみたいだ。これでも少子化なんだろうか、と疑いたくなるほどだ。そういえばきのうのニュースで、日本の15歳未満の子どもの数が34年連続して減少していると報道していた。それでも東京だけは去年よりもすこしふえてきているらしい。そうすけがおとなになったころには、どうなっているんだろう。

 8体ある恐竜のオブジェのどれを見せても、そうすけはあんまりときめかないようだ。だんなが声をかけると、その瞬間はじっと見ているのだが。まだ早いのかも。野球がすきらしい、と、だんながいう。テレビで野球中継、とくにメジャーリーグの中継を見るとき、ものすごく集中しているからだという。でも、公園の隣りにある野球場で少年野球の試合が行われて盛りあがっていたが、それには興味をしめさなかった。メジャー志向なのかもしれない。