6月11日、エンジェルサウンド。(妊娠10週6日)

 とうとう、通販でゲットしてしまった。家庭用の超音波ドップラー。なんと赤ちゃんの心音がきけるらしい。ジェルと電池がセットになって、送料込み5,000円ちょっとだった。ま、いつでも心音をきけるなら、お安いもんでしょう。つぎの検診までまだ1週間もあるんだと思うと、心配で、心配で。そうすけが元気にしているか、こっちから、インタビューしてしまおうじゃないか。
最初、ジェルだけがとどいて、がっかり。翌日、本体がやってきた。商品はアメリカ製だけど、取扱説明書の日本語訳がついています、とのこと。箱を開けてみると、A4サイズの紙が1枚入っていた。日本語が書いてある。これが取説の和訳なのか。シンプルすぎる文章で意味がわかりにくい。けっきょく実際につかった妊婦さんのブログを参考にしながら、ためしてみることにした。
つかいかたは、カンタン。電池をセットして、付属のヘッドフォンを本体の側面にある2つの穴のどちらかに差しこんで、スイッチをまわしてオンにする。これで準備完了。穴が2つあるのは、2つのヘッドフォンをつかってふたりで心音をきくこともできるように設計したから、だそうだ。なんてステキ。だんなを誘ってみたら、あとでね、と、やんわりことわられてしまった。

おなかにジェルをたっぷりぬって、本体のウラ面にある突起部をあてながらゆっくりすべらせる。なんにもきこえない。恥骨のすぐ上のあたりを左から右に探っていく。すこしずつ、すこしずつ。あ、きこえた。恥骨の右上あたりで音を感じる。シュン、シュン、シュン、シュン。心音かな。いや、でも、待てよ。赤ちゃんにしては、テンポが遅すぎる。10週から11週は赤ちゃんの心拍がもっとも速く、1秒あたり2~3回のリズムで呼吸しているらしい。となると、この音はわたしの心音だ。なあんだ。でも、ちょっと感動。わたし、いま、生きているんだ。そうすけと、いっしょに。しばらく、自分自身の心音をじっときいていた。おっと、いかん。おなかが冷えてしまう。早く、そうすけの心音を探しださなければ。さらに1センチほど右に動かしてみる。ん、きこえた。さっきよりも速いテンポの音だ。シュッ、シュッ、シュッ、シュッ。これは、臍帯音(さいたいおん)といって、へその緒を流れる血液の音、なんだそうだ。心臓が鼓動する音、いわゆる心音は、トコトコトコトコ、と、きこえるらしい。突起部を1センチほど下に動かしてみる。トコトコトコトコ。きこえた、かな。きこえた、気がする。やっぱり気のせいだろうか。もっとクリアにきこえたらいいのに。きこえない。きこえるまで、待ってみるか。おなかを冷やしてはならない。きょうは、このへんにしておこう。また、あした。