6月2日、ゼロゼロ。(生後160日)

 また、そうすけがせきこんでいる。以前、小児科に診てもらったとき、これは心配のないせきだから薬をのまなくてもだいじょうぶだよ、と先生が教えてくれた。息をするたびに、のどの音がする。しんどそうだ。これはゼロゼロといって赤ちゃんにはよくあることなんだよ、とも教わった。ゼロゼロって、はじめてきく言葉だなあ。でも、あしたからふつうにつかっていそうなくらい、身近な言葉になるんだなあ。これから2歳くらいまでのあいだは、ゼロゼロと向きあっていくことになりそうだ。どうやらすぐには治らないらしい。

 赤ちゃんは、鼻やのど、気管支などの粘膜がデリケート。そのため、温度や湿度のちょっとした変化が刺激になって、くしゃみが出たり、鼻がつまったりするそうだ。ほこりや煙にも、おとなより敏感に反応してせきが出る。息をするたびに、ゼロゼロと音がする。生まれてすぐのころのゼロゼロは、のどの軟骨がやわらかく、しっかりできあがっていないために起こることが多く、その場合は成長するにつれて自然に治っていくのだという。2歳くらいまでは粘膜からの分泌物が多いため、のどもゴロゴロ、ゼロゼロしてしまうことが多い。

 眠りから覚めたとき、授乳のあと、冷たい空気を急に吸いこんだとき、人ごみやほこりっぼい場所にいるとき、空気が乾燥しているとき、こういうときのせきやゼロゼロは、心配しなくてもいいそうだ。一時的にひどくても、すこしたてば落ちついてくる。いっぽう、かぜが原因の場合はやっかいだ。ウイルスや細菌が鼻やのど、気管支に感染して炎症を起こして、それが刺激になってせきが出てくるのだ。炎症がすすんでくると、ゴホゴホ、湿ったせきが出る。かぜが原因のときは注意して見ていると、せきやゼロゼロだけでなく、ほかにもなんらかの症状をともなっていることが多い。元気がない、食欲がない、などなど、赤ちゃんの様子に変化が出てきたら要注意だ。そうすけの場合には、おっぱいをのんだあとでせきこむことが多い。食欲があるかどうか、のどを気にしてのみこむのをいやがっていないか、よく見ておこう。ぜったい見逃さないんだからね。