7月12日、安産のコツ。(妊娠15週2日)

 きもの着こなし講座の先生宅に、およばれした。先生がつくったベトナム料理を、みんなでごちそうになろうの会だ。先生のお言葉にあまえて、おなかをすかせてなんにももたずに先生宅へおじゃました。
「こんにちは」
「神戸さん、早く、早く」
「カンパイするよ」
みんな、早いなあ。12人の生徒たちの10人ほどが到着していた。さっそくシャンパンのグラスを手わたされた。
「カンパイ」
いよいよランチパーティーのはじまりだ。2人はあとから遅れてくるので先にのんびりはじめましょう、ということだった。12人のうちの9人はきものやゆかたを着ている。きれいだなあ。わたしは洋服で参加した。ほかにも洋服で参加した生徒さんがいてくれてよかった。きょうはあつくて汗ばむから、きものを着こなすにはコツがいる。補正と汗とりを兼ねて、さらしをキュッと巻くといい。わきの下を締めていると、顔に汗をかきにくいのだ。でも、巻きすぎるとくるしくなるから、気をつけて。
「先生、麦茶ありますか」
「わたしも麦茶にします」
お酒のよわい生徒さんがいてくれてよかった。わたしも便乗する。が、先生におかしいと思われてしまったようだ。
「えー、のまないの。からだ調子わるいの」
「じつは妊娠しちゃいました」
拍手喝采。みんなが、盛りあがった。ありがとうございます。でも、やっぱりこういう展開はなれないというか、ぎこちないというか。

「つわり、つらくない?」
「つわり、こなかったみたい」
「トイレにかけこんでおえっ、とか、ならなかったんだ」
「うん、ぜんぜん」
「そういう妊娠もあるんだー」
みんな、興味シンシンだ。うちもいま授乳中、という生徒さんがいた。こんどはわたしが、興味シンシンだ。6歳と1歳の息子さんがいて、ふたりとも自然分娩で産んだそうだ。安産のコツってあるのかな。
「出産前は、たくさん歩いたほうがいいよ」
「どのくらいのペースで」
「わたしは3時間くらい歩いていたよ」
「ふつうの速さでいいの」
「そう、ウォーキング。臨月で仕事を休んでからは毎日歩いていたよ」
「すごいね、毎日」
「赤ちゃんが下りてくるからねー、気分転換にもなるし」
「そうなんだ」
「臨月がさむい季節でよかったよね、きょうみたいな日だとたいへん」
そういわれてみて、気づいた。12月に臨月をむかえる。たくさん歩けそうな気がする。そうすけが、このタイミングを選んでくれてよかった。