7月20日、きれいなお母さん。(妊娠16週3日)

 仕事場の先輩女子にさそわれて、メイクレッスンに参加した。10人ほどの仲間があつまって、わいわい、たのしいイベントだ。ずっと前から行きたいと思っていたので、朝からワクワク。心ゆくまで、きれいになっちゃいますよ。14時からスタートだったが、ちょっと早めに到着して、お店のまわりをぶらぶら歩いていた。運動不足に、ちょうどいいウォーキングだ。

 お店にはメイクグッズだけでなく、かわいい雑貨があちらこちらにならべられていた。女子たちがだいすきなものばかり。見ても、つかっても、いやされそうなバスグッズ、カラフルなパワーストーンのアクセサリーに、オーラソーマのボトル。まるでリゾートにいるみたい、こんなところでメイクレッスンを受けたらご利益ありそうね、と、レッスンがはじまる前から大盛りあがり。

レッスンは、クレンジングからスタートした。オイルをつかってマッサージするように指の腹をすべらせながら、汚れを落としていく。やさしく、やさしく、なでるように。けっして肌をこすってはいけない。日ごろから、ごしごし洗っていたのを、あらためて反省する。汚れを落としたら、シュガースクラブだ。スクラブといえば、砂糖よりも塩を思いうかべる人のほうが、きっと多いだろう。わたしも、そうだった。シュガースクラブは、砂糖の保湿効果と水にとけやすい性質を活かした角質ケアで、塩のスクラブにくらべて肌への刺激がすくない。水でぬらした肌にのせて、やさしくなでるようになじませていく。水分と体温で砂糖がとけだし、浸透しながら、肌をふっくらやわらかく保湿する。肌にすーっと、とけてひろがる瞬間が、気もちいい。
「あー、たまらん」
「見て、ふっくら」
「ごちそうをたべて、肌がよろこんでいるよ」
「このカンジ、忘れないでくださいね」
「はーい」
みんなすっかり、恋もメイクも知らない少女時代にもどったようだ。

 化粧下地クリームと、ファンデーション。どちらも、はじめに手のひらでうすくのばしておいて、短時間でスッと顔全体につけるといい。中心から外側へ、ぴたっと、肌をもちあげるように手早くのばす。指の腹や手のひらをつかって、ひたひた、なじませる。Tゾーンや目もとなどの、とくに気になる部分には、薬指の腹をつかって、ぽんぽん、なじませていく。ここでも、肌をこすらないように気をつけて。肌をこするという行為は、しわを描きこんでいるのとおなじだ。指先で、ぽんぽん。こすらないように、気をつけよう。
 フェイスパウダーにも、コツがある。ちょうどいい場所に、ちょうどいい色を適量のせること。のせすぎない。ほとんどの人が、のせすぎになりがちなんだそうだ。いちばんよれやすい目の下からのせて、Tゾーン、そしてチークがわりの色を、ほほに。フェイスラインは、あごからこめかみに向けてシュッと一筆書きをするように。これで、スーパー美人肌のできあがり。よしよし。

 眉は、顔の印象の8割を決める。黄金比をキープしよう。手もちの筆をあわせながら、眉頭、眉山、眉尻のバランスをチェック。眉が太すぎる、と思っても、ムリに抜かないで、シェーバーやカミソリなどをつかって処理するほうがいいそうだ。毛抜きで強引に細くしてしまった過去を反省。自分の手でなくしてしまった毛は、描きくわえるしかない。眉毛さん、ごめんなさい。
 アイメイクは、夏にぴったりのブルーやパープルをつかった、マーメイドメイクに挑戦。だいすきな海の色だ。涼しげで、どこか、色っぽい。これで、夏の視線は決まりでしょう。こんどは、つけまつげに夢中。つけまつげの長さやカーブひとつで、かわいい女性になったり、クールな女性になったり。自由自在に生まれかわれる。メイクって、たのしいなあ。仕事場にいるときは、ほとんど気をつかったことがなかったけれど。鏡に向かってつけまつげと格闘しているみんなの目が、きらきらしている。女子って、やっぱり女の子だなあ。

 メイクレッスンが終わって、みんなでごはんをたべに行って、たのしく話して解散した。家に着いて、あらためて鏡を見た。唇にのせていたつやつやのグロスが、すっかりとれている。たくさん笑っていたからか、目の下のファンデーションもよれている。それでも、とてもきれいだ、と思った。そうすけが生まれるときには、45歳。ずーっと、きれいなお母さんをめざそう。