7月24日、いーなの週。(妊娠17週0日)

 きょうから、妊娠17週めだ。17だから、いーなの週。いいことばっかりあるにちがいない。と、勝手に信じることにしている。じつは、きのうの検診で胎盤が低めだと指摘されたことが、ずっと気にかかっていた。検索すればするほど、ネガティブな気もちになっていった。日ごろから、健康には気をつけているのになあ。見えないところで、問題を抱えているなんて。原因を調べてみると、高齢妊婦に頻度が高い、と書かれていた。一般に20代の妊婦の前置胎盤は300例に1例あるのに対して、40歳以上になると、50例に1例といわれている。こんなところにも、高齢出産のリスクがあったとは。

 もしも、前置胎盤になったら。まず気をつけることは、出血だ。前置胎盤による出血は、おなかの張りを自覚しないうちにはじまることが多い。痛みを感じることもすくない。だから、なかなか気づきにくいらしい。妊娠中期まではとくに症状はみられず、妊娠中期の後半をすぎてから、はじめて出血することが多いそうだ。この出血はなんの前ぶれもなくはじまるが、最初のうちは量もすくなく自然にとまるので、警告出血、とよばれている。いっぽう、分娩が近づいてきておなかが張って子宮が収縮したり子宮口が開いてくると、大量に出血してしまうことになる。いちど出血すると止血しにくいため、帝王切開で分娩せざるを得なくなってしまう。想像するだけで、ぞくっ、とする。

 前置胎盤と診断されたら、出血を起こさないように、安静にしていることが大切だ。ただ、妊娠中期に前置胎盤と診断されても、妊娠末期までに胎盤の位置がかわることも多い。妊娠30週以前では、大量出血もすくないので、30週までは自宅安静で、外来診察によって、定期的に超音波検査をするというのが一般的だ。妊娠30週をすぎても前置胎盤がつづく場合には、経過をみながら入院の必要性を判断することになる。ひきつづき、様子をみよう。

「いってきます」
気をとりなおして仕事場に向かおうとしていたら、奥からだんなの声が。
「いってらっしゃい。そうすけ、母さんをまもるんだよ」
だいじょうぶ、だいじょうぶ。だって、きょうから、いーなの週だから。