8月12日、おっぱいケア。(妊娠19週5日)

 おっぱいが、大きくなった。姿見の前で、あらためてそう思った。ポーズをとりながら、さまざまな角度から検証してみる。前に突きだす、というよりも、全体的にふっくらまあるくなった。実際、妊娠5か月になると皮下脂肪がどんどんふえてくるそうだ。母乳をつくるための乳腺が、発達している証拠だという。母になるための準備が、からだのなかで着々とすすんでいる。自分の意思とは関係なく、母親化はすすむ。気もちは、からだにどこまで追いつけるだろう。

 乳腺が発達すると、初乳が生成されはじめる。なかには、なにもしていないのにいきなり母乳が出る人もいるそうだ。わたしはまだ母乳が出てきたことはないけれど、乳首の先に白い垢のようなものがついていることがときどきある。風呂に入っているときにそっと洗って、とれるものはとるようにしている。いままでこんなにじっくり手入れしたことはなかった。そうすけは、ここから栄養をとるんだなあ。乳房を、乳首を、乳頭をケアしておこう。締めつけすぎないで、やさしく包んであげよう。きつくなったブラジャーで大きくなったおっぱいを締めつけるのはやめよう。仕事から帰ったら、ブラジャーをはずしてあげよう。

 乳首にも、赤ちゃんが吸いつきやすい乳首があるそうだ。やわらかくて弾力のあるほうがいい。長さと直径は0.8センチから1センチが、いちばん吸いつきやすいサイズらしい。わたしの乳首は、どうだろう。サイズよりも大切なのは、やわらかさだ。理想は、耳たぶくらいのやわらかさをキープすること。顔とおなじように、おっぱいにも毎日のケアが必要になる。乳首の汚れをとる。おっぱいマッサージをする。お風呂でくつろいでいるときに、ためしてみよう。

 人間が口のなかにものを吸いこむときにもっともおいしいと感じられるスピードは、母乳を吸うスピードだ。と、読んだことがある。赤ちゃんは、ファーストフードのできたてシェイクをのめるほどのつよい吸引力をもっている。