8月17日、家族という社会。(妊娠20週3日)

 だんなの弟夫妻からディナーに招待されて、ホテルのレストランへ。だんなとだんなの弟は、年が7つはなれている。弟夫婦はすでに、10歳と7歳の男の子のパパとママだ。出産も、子育ても、わたしたちの大先輩になる。ふたりの体験談をきいて、これからの参考にしよう。戸越で会ったときにも話していたが、兄弟の性格のちがいは、きけばきくほど、おもしろい。お兄ちゃんは、とっても活発な男の子。学校ではしょっちゅうケンカをして、先生に注意されているそうだ。家でももちろん、わるさをしては、ママにこっぴどくしかられている。それとは対照的に、弟は、まわりをじっくり観察して、どうすればしかられないか、自分に視線があつまるか、と慎重に行動しているそうだ。

ある心理学者の分析によると、第1子は、いちばんに生まれ、常にいちばんでいたいと思い、責任感のある行動をとるという。まわりの期待に応えて、みんなをよろこばせようとする反面、自分の立場をおびやかす存在には、嫉妬深くなりがちだ。第2子は、第1子に追いつこうと、必死に走りつづける。第1子がいい子だと自分はわるい子を演じ、逆に、わるい子だといい子を演じる傾向がある。中間子は、人をかきわけ、かきわけ、生きていく。いつもどこかに不公平さを抱えているからか、まわりへの適応力には長じているという。末子は、まさに、愛されるべき存在として生まれてきた。王座をうばわれることがないよう注意をはらいつつ、第1子や第2子の立場をおびやかしながら、まわりからのサービスを受けつづけようとするそうだ。単独子は、巨人の世界のなかに住む小人のようなイメージだ。あまえんぼうでマイペース、理想が高く、責任感が強くなる。こうやってみると、家族は、最小単位の社会だといえる。

 だんなは、7つ下の弟がいる第1子、わたしは、9つ上の兄がいる第2子である。ちょうど正反対の環境で、育ってきたんだなあ。だんなも、わたしの兄も、単独子的な育ち方をしたあとに、第1子のもつ安定性や責任感が追加されていったにちがいない。逆に、だんなの弟も、わたしも、第2子であり、末子でもあり、上とは年の差がある。だから、単独子の要素もそなえもっているのだろう。また、おなじ心理学者によると、対人関係がうまくくいかなくなる原因は、ひとりひとりがもっている嫉妬と劣等感によるところが多いそうだ。たとえそれが親子の関係であっても、ふつうに起こりうることだという。

 そうすけが、なにを考えるのか、どんな行動をするのか、どんな価値観をもつのか。いまは想像もつかないけれど、年下の先輩夫婦が教えてくれた体験をお手本にしてみよう。家族という社会を大事に、大事に、育てていこう。