8月24日、もぐっていい友。(妊娠21週3日)

 夜、ひさしぶりにダイビング仲間であつまった。海で会ったことのある人がほとんどだが、なかにはSNSでしか会ったことのない人もいる。きょうは直接会って話ができるチャンスだ。だんなと店に向かったら、ずいぶん早く着いてしまった。約束の時間まで、店の近くをさんぽすることにした。リビングに大きなクッションがあるといいよねえ。などといいながら、雑貨屋さんやインテリアショップを見て歩きまわる。なかなか、イメージどおりのサイズで手ざわりのいいクッションに出会えない。つぎ出かけたとき、また見て歩こう。

 店に入ったら、ほとんどおなじタイミングで、ぞくぞくとメンバーがあらわれた。さすがダイバー、時間をまもる人が多いなあ。さっそく、みんなビールでカンパイだ。わたしは、ウーロン茶。さっと、だんなが立ちあがった。
「みなさんに、ニュースです」
みんなは、もう、わかっているようだ。わたしのウーロン茶を見て、顔が、目が笑っている。いつも、ビール、ビール、と、まっ先に店員さんをよんでいる右手に、ウーロン茶。それでもみんなは、だんなのセリフを待っていた。
「えー、わたくし、このたび、おやじになります」
「よかった」
「やったね」
「ひゅーひゅー」
「でかした」
「すごいぞ」
「ご利益、ご利益」
「おやじー」
「がんばったな」
「おめでとう」
とびかうコトバ。グラスが割れんばかりのカンパイ。お世話になっている人だから、SNSをとおさず、直接会って、話して、伝えたい。そんなだんなの気もちをみんなが受けとめてくれた。いい仲間がいてくれて、よかった。
「おれ、40代で、孫できちゃったもんね」
「うそー」
「まぁ親子して、早熟だったのかな」
「そんなに年かわらないよね」
「わからないことがあれば、なんでもききたまえ」
そんな強者の仲間もいる。そうすけのことを、かわりばんこで世話してあげるから心ゆくまでダイビングしなさいよー、と、いってくれる仲間もいる。だからといって、まるごとあまえるわけにはいかないけれど。その心づかいが、やさしさが、ありがたい。帰りぎわにもおなかをぺたぺたさわりながら、おなかのなかのそうすけにみんなが声をかけてくれた。元気に、出てくるんだぞー。