9月28日、たのしんだもん勝ち。(妊娠26週3日)

 たっぷり眠った。ゆっくり湯船につかりながら、目を覚ます。きのうの夜はおもしろかったなあ。だんなの会社の後輩女子ふたりと、おいしいごはんをたべながら、ずっとおしゃべり三昧だった。後輩のひとりは、ただいま子育て中の先輩ママ。もうひとりは、ただいま絶賛恋愛中だ。ふたりの近況をききながら感心したり、ドキドキしたり。絶賛恋愛中の後輩もだんなもわたしも、先輩ママの体験談にうなずくことしきり。こころのメモにしっかり書きこんでいた。

 先輩ママは、無痛分娩を選んだという。子どものころから痛いのがとにかくニガテだった。出産の痛みは鼻からスイカが出てくるようなものだと、たとえられるくらいだ。そんな痛みをがまんできるはずがない。そう考えて無痛分娩にしようと決めたそうだ。出産するときに、恐怖のあまりからだが硬直してしまってはたいへんだ。よけいなストレスのない状態で産むのがいちばんだ、とわたしも思う。無痛分娩にしてほんとうによかった、と先輩ママはいう。じつは途中で5分ほど麻酔がきれるという、とんでもないハプニングがあったそうだけど。そっちのほうが痛そうにも思えるけれど。いまからでも間にあうから無痛分娩にしたらとアドバイスをくれた。無痛分娩がおすすめだという話は会社の後輩からもきいている。魅力は十分だ。なのに、どうして選ばなかったのだろう。日本では出産の苦痛に対する美学がある、とよくいわれる。だからというほど、美学にこだわりはない。たぶん、どんな痛みなのかたしかめておきたい、その好奇心につきると思う。そうすけが産道を通るときの感覚をこのからだに感じたい。45歳だしもちろんムリはできないと思うけれど。この先どうなるかもわからないけれど。選べるなら、自然分娩をしたいと思う。

 いろいろなママ友を見てきた先輩ママがいうには、妊娠も出産もたのしんだもん勝ち、なんだそうだ。いっぱい笑っておおらかにすごしていいお産をしたママは、赤ちゃんもおおらかで泣かないらしい。それとは逆にママが、出産は育児はこうでなければならない、と自分を追いつめたりしんどくなっていたりすると赤ちゃんも神経質になってしまう。毎日はじめての体験の連続で気をつけることもいろいろあるけれど、ひとつひとつをおだやかな気もちでたしかめていきたいと思う。きっと一生にいちどのかけがえのない体験だから。