味な油漬け さびない明太子
あの人が台所に立つたびに、 借りをつくっている気分になる。
からだも、味覚も、しっかり育てたい。
心配ないから。と、いっても 母は心配する。
午前のわたし、おつかれさま。 午後のわたしを、スタンバイ。
ちょっぴり薄味なくらいが、 ふたりの会話も長続きするみたい。
おちおちウンチもできない毎日なんて。
あなたが玄関と呼んでいる場所は、 わたしのトイレです。
もうお弁当つくらなくていいのね と、妻がそっと微笑んだ。
お弁当をきちんと選ぶ人は、 きっと仕事もていねいだ。