10月20日、安産祈願。(妊娠29週4日)

「肌が、がさがさする。日焼け止め、ぬっておけばよかったなあ」
だんなが、うなじをしきりに気にしている。あらら、ホントだ。ずいぶん日焼けしちゃったなあ。乾燥もひどい。週末に泊まりがけでゴルフに行って、一気に肌を焼いたからだろう。ひさしぶりの仲間と夢中になってあそんでいる様子が、目に浮かぶ。きのうは、家に帰ってきてからグラスに注いだビールをひと口ものまないうちに眠ってしまったもんね。こういう息抜きだって、たまには必要だと思う。すっかりリフレッシュできたのだろう、いい顔をしている。

 仲間のサプライズで、安産祈願にも行ってきたそうだ。10月18日が戌の日だから、ということでさっそく、男6人で産泰神社へおまいりに。産泰神社はその名のとおり、安産と子育ての神社として有名だ。だんなはなんと、たくさんの妊婦さんといっしょにならんで男1人で祈願をうけていたという。その様子を中継でいいから見たかった。よろこんでくれる仲間がそばにいて、だんなもわたしもシアワセもんだ。きっと、そうすけも感謝しているにちがいない。だんなが大切にもって帰ってきた安産のおまもりは、玄関に飾っておくことにした。これならいつも見られるし、ずっと安産を意識できそうだ。産泰帯、とよばれる腹帯は、美しすぎて身につけるのはもったいないので、おまもりのかわりに、寝室に飾っておこう。この白い箱を見るたびに、背筋がのびて気もちがしゃんとする。

 ゴルフをしているあいだにも、だんなは4人の先輩パパにいろいろ教えてもらっていたようだ。仕事では先輩や同期や後輩だった関係がパパ友になるなんて、いままでは考えたことがなかった。おもしろい。話題は、子どもの運動会で1等賞をとる方法にまでおよんだらしい。生まれる前から、いっしょうけんめいだ。だんなは、加齢による体力の低下を気にしているらしい。そこで6人で勝つための対策を考えた。だんながピンチになったら入れかわって代走する、というシンプルな方法だ。これならいつでも1等賞をキープできる、と豪語する。その自信がどこからくるのかわからないけれど。みんなの気もちがうれしい。そうすけにはたくさんの味方がついている。安心して、生まれてくるんだよ。