11月14日、お母さんのちから。(妊娠33週1日)

 朝8時半に、渋谷で待ちあわせる。きょうは、撮影の立会い。午前中に光が丘へ行き、午後に千葉ニュータウンへ行く予定だ。生後2か月の赤ちゃんとその家族に会う。ワクワクするなあ。それにしても、眠い、眠い、眠い。3時ごろに目が覚めて、そうすけが元気よく動いていたのでつきあっているうちに朝になってしまった。朝の人気番組のキャスターも、毎日こうやって早起きしているんだっけ。そう思えば気がラクになる。きょうもたのしくがんばりましょう。

 光が丘に到着するとすぐに、おじいちゃん、おばあちゃん、赤ちゃんとお母さんがあらわれた。おはようございます、よろしくお願いします、と、にこやかにあいさつをするとさっそく撮影がはじまった。思ったよりも、2か月の赤ちゃんって大きいんだなあ。産後クラスで出会った生まれたての赤ちゃんを思いだしながらくらべてみると、成長がよくわかる。貫録さえ感じる。このままいけば、よゆうで撮影できそうだなあ。そう思うやいなや、赤ちゃんが泣きはじめた。ああああ、とまらない。突然の変化に、赤ちゃんをだっこしていたおじいちゃんも、あわてる、あわてる。おばあちゃんは、笑いがとまらない。ここはお母さんのちからをかりよう。お母さんがやってきて、赤ちゃんをだっこする。と、たちまちぴたりと泣き声がとまった。魔法を見ているようだ。

 千葉ニュータウンに移動して、地元のレストランでランチをとった。イタリアンのバイキングだ。うれしいけれど、きけん、きけん、バイキングって。ついつい、好奇心を刺激されてたべすぎてしまう。ふつうの皿と6つ仕切りのある皿があったので、6つ仕切り皿を選んでとりすぎ&たべすぎをセーブ。それでもデザートまでしっかり完食した。同行したアートディレクターの先輩は、夜にも別件の打上げがあるらしい。たべたあと、しきりにたべすぎを後悔していた。

 2件めの家族も、うらやましいほどしあわせそうだ。やっぱり2か月になると大きくなるんだなあ、赤ちゃんって。先日の産後クラスで生まれたばかりの赤ちゃんを見るまでは抱くことのなかった感想だ。起きているうちにさっさと撮ってしまいましょう。さくさくと準備をして撮影がはじまる。15分ほど経ったころだろうか、赤ちゃんが、すやすや、すやすや。あらあら、眠りはじめてしまった。赤ちゃんの撮影は最初の15分が勝負なんだよ、とアートディレクターの先輩がこっそり教えてくれた。お母さんが、ミルクをのませて起こします、というので授乳タイムをとることになった。お母さんもたいへん。努力の甲斐あって赤ちゃんはごきげん。授乳タイムのあとはいちども泣くことなく、気もちよく撮影がすすんだ。お母さんのおっぱいのちからには、だれもかなわない。