11月3日、マタニティヌード。(妊娠31週4日)

 11時、表参道の美容室でヘアメイクをしてもらう。このあと、13時からマタニティフォトを撮る。ふっふっふ。すっかり、うかれぽんちな45歳だ。うかれぽんちでいいのだ。うかれぽんちウェルカムなのだ。たのしめるだけ、とことんたのしんじゃおう。髪をまいて、ふわっとゆるっとフェミニンに。メイクはみずみずしく光を放つような肌に。この年ごろになると、透明感がいのちなのだ。念入りにベースメイクしてもらった。これで無敵のママ、できあがり。

 ヘアメイクが終わって時計を見ると、まだ12時すぎだった。思ったよりも時間がある。13時まで表参道をぶらぶらしてもいいが、せっかくていねいに手入れしてもらった肌をなるべく外気にさらしたくはない。早めにスタジオへ行って、待つことにしよう。スタジオに電話をしたら、いますぐうかがってもだいじょうぶとのこと。ランチはがまんして、ヨーグルトドリンクをのみながらスタジオへ向かった。これで白い歯もキープできる。念には念を入れて慎重に。ビルの前でスタッフのおねえさんが待っていてくれた。わあっと気分が高まる。ロビーで撮影を待っているあいだ、たくさんの撮影サンプルを見せてもらった。どんなふうに撮ってもらいたいのか、イメージをふくらませる。ヌード、セミヌードに、ワンピース。チューブトップにロングスカートのシンプルな組みあわせもステキだなあ。きょうの撮影のために、ヨガウェアも持参した。2~3回は衣装チェンジできるそうだ。たくさんの写真をながめているうちに、ある衝動がわたしを支配していった。脱ぐ、か。脱ごう。ありのままを撮っておこう。だんなに話すと、二つ返事でオーケーがきた。人生初ヌードにチャレンジしてみるのだ。

 約50分の撮影のなかで、チューブトップにロングスカート、ベール1枚だけでおおうセミヌード、ヌード、あまった時間でヨガウェアをきてヨガのポーズにもトライした。だんなも、撮影監督になるわ、プロデューサーになるわ、モデルになるわ。ハイテンションがとまらない。ふたりが被写体になると、おなかのなかのそうすけもムクムク動きはじめた。そうすけくーん、とスタッフのおねえさんも声をかける。マタニティまつりだ。わっしょい、わっしょい。