11月5日、しゃっくりと胎動。(妊娠31週6日)

 原稿を書きながら、そうすけのしゃっくりを感じている。なかなか、とまらない。ひくっ、ひくっ、と一定のリズムで動きつづけている。わたしは、この感覚がニガテだ。おなかのなかでひとつずつゆっくりプチプチをつぶしているようなカンジ、とでもいうのだろうか。下半身がくすぐったくて、むずむずしてくるのだ。自分でとめられたらいいんだけど、そうすけのしゃっくりだからどうしようもない。しゃっくりは横隔膜のけいれん、といわれているが、これが起こるのは一人前に横隔膜が機能している順調な成長の証拠だ。なぜ胎児がしゃっくりをするのかは、まだ解明されていない。赤ちゃんによって個人差があって、妊娠中にまったく胎児のしゃっくりを感じなかった、というママもいれば、しょっちゅう感じた、というママもいる。おなかのなかでしゃっくりをよくしている赤ちゃんは、生まれてきてからもしゃっくりが多いらしい。そうなってくると、そうすけの生まれたあとは、しゃっくりマシンだ。たいへんだ。

 胎動もよりつよく、はっきりしてくる。8か月後半になると、そうすけがどんな向きでいるか、とか、どっちに足を出しているのか、とかがはっきりわかるようになってくる。気もちよくすごしていると、うれしいなあ。このころ羊水の量はピークを迎えて、これ以上はふえなくなるので、これからおなかのなかはすこしずつきゅうくつになっていくんだそうだ。そうすけは自分なりに居心地のいい体勢を見つけるだろう。どんなポーズがすきなのか知りたいものだ。あらあら、またしゃっくりをはじめている。いつも、いつも、いそがしそうだ。

 家庭用の超音波ドップラーも、胎動がはげしくなってからはつかうことがすくなくなった。以前は、ほぼ毎日お世話になっていたんだけど。いまでは胎動がないときだけ、チェックするためにとりだしてつかっている。いまいちばん夢中になっているのは、キックゲーム。いままで反応があいまいだったのが、しっかり伝わるようになってきた。ぽん、と、おなかをたたいたら、ぽん、と、たたきかえしてくる。うれしくて、なんども、なんども、たしかめている。だんなもいっしょに3人であそぶことも多い。そうすけ、なかなかの足さばきだ。