11月6日、元気な子ランチ。(妊娠32週0日)

 会社で所属しているチームのみんなと、ランチへ。チームリーダーが、肉のおいしい店を予約してくれた。題して、元気な子ランチだ。自分ではなかなか行く機会がなかった高級店。うれしいなあ。そうすけ、きみのおかげだよ。ありがとう。きみのぶんまでしっかりお肉をたべるからね。チームのみんなも、よろこんでいる。店に入ると個室へ案内された。昼から個室で、テンションがあがる。まずは、ジンジャーエールとノンアルコールビールでカンパイ。

 ランチをたべている7人のうちの5人には、すでに子どもがいる。そうすけには先輩がいっぱいだ。もうひとりの後輩とわたしは、来年親になる予定だ。話題は自然と出産や子育てのことになる。立会い出産にのぞんだけれど出番がなかったパパの想いやホンネをきくことができた。みんな、いろいろ悩んでいた。
「そばにいるのに、なんにもできなかったよ」
「けっきょく、おれがそこにいなくても子どもは生まれるんだなあって」
「男って無力なんだよね」
えっ、そこまでネガティブになるの。
「はげますつもりで手を握ろうとしたら、いやがられた」
「ジャマっていわれたよ」
してほしいことはきちんと伝えたほうがよさそうだ。こころしておこう。
「退院してからママがたいへんそうだったんで、せめて料理だけでもつくろうと思って。ネットで調べてパスタをつくったの」
おいしいパスタをたべてもらおう、とネットで調べたのがけなげだなあ。
「時間もきっかり計って、ばっちりアルデンテに仕あげたのに。赤ちゃんにおっぱいをあげていて、よんでもこないんだよ。ぼくのアルデンテ、どうしてくれるの。どうでもいいのね、って。かなしかったよ」
そういうこともあるよなあ。奥さん、すごくよろこんでいたと思うけど。
「リビングで小学校の宿題をしてる息子の背中を見ていると、タイムマシーンにのった気分になるんだよね。あぁ、むかしのぼくがいるって」
いいなあ。相似形のふたりを後ろから見まもりたい、と、つくづく思う。