11月9日、産後クラスその1。(妊娠32週3日)

 日赤医療センターの、産後クラスに参加した。妊娠30週以降の妊婦さんとパートナーを対象にしている。どの参加者もおなかがめだってきていた。出産をより身近に感じる。M夫妻もやってきた。元気そうだ。あれ、おととい会った先輩ママさんのAさんがいない。どうしたのかな。ホワイトボードにきょうのスケジュールが書かれている。オリエンテーションのあと、産後の母体や生活の変化について先輩ママさんの体験談をきく。赤ちゃんのゲストをまねいて、助産師さんから赤ちゃんの出産後についてのお話をきく。DVDによる産科病棟の紹介、休憩をはさんで、母乳育児についてのグループワーク、おむつ交換の育児体験、そして院内見学。きょうも盛りだくさんだ。たっぷりたのしもう。と、Aさんが急いでやってきた。おなじテーブルにすわった。よかった、よかった。

 おなじテーブルになったのは、先輩ママAさんと、30代半ばくらいの初産のご夫婦だった。なんと奥さんは小児科、だんなさんは感染症科のプロフェッショナルで、知識も専門的だ。なんとすばらしい偶然。グループワークでいろいろ教えてもらおう。でも、ふたりがいうには、どれだけ現場にいても出産体験ははじめてなのでわからないことばかりなんだそうだ。やっぱり、経験にまさるものはないんだなあ。先輩ママAさんとさっそく盛りあがっている。

 ママと赤ちゃんのゲストが、講義室にやってきた。赤ちゃんは、ふたり。ひとりは、きょう1時34分に生まれたばかりの男の子。2900グラムくらいだったという。もうひとりは、11月5日生まれの女の子。からだの大きさは男の子とおなじくらい。肌の色がちがう。男の子はまだ、肌の色が赤っぽいけれど、女の子は数日が経って黄色くなってきている。生まれて7日後くらいに向けて黄だんが出てきて、それから、白くもどっていく。それにしても、小さい。小さいなあ、赤ちゃんって。さわるのがこわいくらいだ。こんな小さい赤ちゃんでも、おなかのなかにいるんだと思うと、こんどは大きく感じる。ふしぎなことだ。どんなふうに過ごしていたんだろう。ぼんやり考えていたら、女の子を産んだママさんがあらわれた。さっそくみんなで、ママさんの話をきく。

 ママさんは、予定日よりも5日早くきざしがあったそうだ。陣痛よりも先に破水した。移動中の車のなかでどんどんあふれてきて、これはまちがいない、と感じたという。9時に入院して、陣痛がきたのは22時、赤ちゃんが生まれたのは翌日16時。陣痛から18時間。たいへんだったろうなあ。だんなさんとお母さんに立ち会ってもらってよかった、と感謝している。産むときに、だんなさんが呼吸にあわせてマッサージしてくれたそうだ。最初はなれなくて、へたくそー、とケンカしそうになったりもしていたけれど、助産師さんに教わってどんどんうまくなったんだとか。お母さんは精神的な支えになってくれた。わたしもできたんだからできる、できる、といわれて、心づよくなれたという。生まれたときの気もちはうまくいいあらわせないくらい、しあわせ。生まれるまでは、出産ってなんなんだろうと混とんとしていたのが、なにもかもよかった、の気もちにかわったという。なにもかもよかった、を感じてみたい。みんなうっとりしている。

 産後2日め、3日めくらいから胸が張る。ママさんは、産後2日めから胸が張ってのんでもらわないと痛いほどだったそうだ。赤ちゃんは、1日め、2日めからいきなり、おっぱいをすごくほしがる。これは、おなかがすいている、というよりも、吸うことで安心したい、という生理的欲求からくるそうだ。この日を境にして、ママさんは1~2時間に1回くらいの頻度でおっぱいをあげるようになる。授乳回数の目安は1日に14回。ハードな作業だ。でも、なによりも大切だ。このあとのグループワークで、それを学んでいく。おっぱいについてみんなで話すなんて、いままでなかったなあ。つづきは、あした。