12月11日、いよいよ正産期。(妊娠37週0日)

 正産期をむかえた。とくにかわったことはない。もう、いつ生まれてきてもだいじょうぶだよ、そうすけ。でも、もうすこしいっしょにすごしていたい。いつものように、マタニティヨガのレッスンに行く準備をはじめた。ヨガのポーズをとっているときにも、ごはんをたべているときにも、ぐっすり眠っているときにも、ずっと、すべてをそうすけと分かちあいながらすごしてきたので、コンビでいるほうが自然になっているのだ。いったん外の世界に飛びだしたら、好奇心の向くままに、どんどんとおくへ行ってしまうんだろうなあ。それはそれでうれしいけれど。まるで、嫁入り前の娘をもつおやじの心境になっている。

 家を出る前、洗面台で髪をといているときだった。右のわき腹、ろっ骨の下あたりに、がつん、と衝撃が走った。あまりに突然のことだったので、その場にうずくまってしまった。ぎゃあ、というよりも、うぐぐっ、とうめきたくなるような深い痛み。そうすけにちがいない。おねがいだから、この角度でキックするのはやめてね。こういうのには、よわいんだから。ずしっ、と重い痛みがつづいている。脂汗まで出てきた。しばらく横になって休むことにしよう。きょうは大事をとってヨガもお休みしよう。どうか、キックがくせになりませんように。しばらくしたら気分も落ちついてきたので、風呂で汗を流すことにした。

 風呂に入っているときにも、またおなじところをけられた。湯船のなかでしばらくじっと耐えていた。反応してよろこばれたら、こわい、こわい。あしたちょうど検診をうけるので、アドバイスしてもらおう。痛みがほんのすこしやわらぐだけでもありがたい。きょうはとにかくリラックスに徹することにした。けられたあたりの肌に蒸気の温熱シートを貼ってみるとぽかぽかして、だんだんラクになってきた。左右シンメトリーに貼ると、さらに気もちよくなってきた。こうして予定日までのりきっていくのだ。そうすけには、ここをキックすると痛くてこまるんだよ、と、なんども話しかけてみた。気分だけでも伝わってくれるとたすかるんだけど。まだまだ保育園の見学会にも出かけたいし、ぎりぎりまでマタニティヨガもつづけたいし。しっかり予定日をむかえられますように。