2月11日、天性のアイドル。(生後49日)

 そうすけを見ていて思ったんだけど、と、だんながいう。なに、なに。気になるなあ。毎日いっしょにいても、まだ知らないことがあるなんて。以前にもこの日記で書いたが、まるで宇宙と交信しているように見える、あの独特のしぐさの意味がわかったかもしれないというのだ。どんな意味があるのだろう。それはいつ、なにがきっかけでわかったのだろう。だんなは、きのう、そうすけとふたりですごしているときにたしかめてみて気づいたんだ、という。

 それは、泣いているそうすけをあやすため、寝室のベッドで添い寝をしようとしているときだった。ベッドの近くに小さなテレビがありいつものようにオンにして、添い寝の態勢に入った。そうすけを右の二の腕に抱えて、静かに眠るのを待った。寝室のなかは、小さなテレビの小さな音がきこえているだけだ。すぐに眠りに落ちることはなく、ゆっくり背中をさすったり、おなかをぽんぽんしてみたり、時間をじっくりかけながら眠りにつくのを待った。

 そうすけが、うとうとしはじめた。よし、よし。ひと安心してテレビを見ていると、右腕に抱えられながら、また泣きはじめた。あれれ、どうしたのかな。またはじめからやりなおしてみよう。ゆっくり背中をさすったり、おなかをぽんぽんしてみたり。またうとうとしはじめる。ほっとする。テレビを見ていると、また泣きだす。なんどかくりかえしているうちに、そうすけの様子を見ていて、ようやく気づいた。うとうとしている、と思っていたのは思いこみだったと。薄目を開けて、じっとこっちを見ている。そうだ、そうすけも、親の様子を観察していたのだ。自分からテレビに関心が移ったのを知って、泣いていたのだ。こっち向いてよ、というメッセージだったのかもしれない。

 宇宙と交信しているように見えるあのしぐさも、親の注目をあつめるためのパフォーマンスかもしれないよ。だんなにそういわれてピンときた。見るたびに過剰に反応していた自分のことを。しぐさにあわせてテーマソングまでつけていた自分のことを。天性のアイドルなんだなあ、赤ちゃんって。