2月14日、しあわせホルモン。(生後52日)

 そうすけをだっこして、あやしていると、わたしまでほっとリラックスした気もちになる。ほっぺとほっぺをくっつけたり、あたまのてっぺんをくんくんしたり。肌のやわらかさを、ぬくもりを、においを、感じるだけでしあわせになってしまうのだ。なにか特別なちからがはたらいているのだろうか。

 スキンシップをとっていると、脳からオキシトシンとよばれるホルモンが分泌される。オキシトシンは別名、愛情ホルモンとか、しあわせホルモンともよばれていて、出産や授乳のときに大量に出るといわれている。最近の研究では、人と人とがふれあうことで盛んに分泌されることもわかっている。

 お母さんが子どもにふれるとオキシトシンが分泌されて、リラックスした状態になっていく。だから、そうすけをあやしているとほっとする。ほっとするだけでなく、もっと、あやしていたくなる。なんとすばらしい好循環だろう。スキンシップが、無意識のうちにストレスを解消してしまうとは。人のからだとは、ほんとうによくできている。オキシトシンは、もちろん子どもにも分泌される。親子でしあわせをたしかめあうことができて、きずなも深まるわけだ。これからもどんどん、ふれあっていこう。オキシトシンは、もちろん、お父さんにも分泌されるらしい。女性は、子どもをさわったり抱きしめたりすることでオキシトシンが分泌されるが、男性は、こちょこちょや高い高いなど、あそびをとおしたスキンシップで分泌されるという。お母さんとのスキンシップは情緒を安定させるもの、お父さんとのスキンシップは社会性や協調性を育むもの、と子どもにとっても効果がちがう。だから、お父さんも積極的にふれあったほうがいいのだ。親子3人で、いっぱいあそぼう。

 こうして調べていくと、保育園に行くようになったらどうするのと不安になりそうだが、研究ではそれも解決済みだ。オキシトシンは、5分から10分ほどのスキンシップでも分泌され、ふれあってから50分ほどのあいだは高い濃度をキープすることがわかっている。スキンシップは、量より質なのだ。