2月2日、混浴デビュー。(生後40日)

 だんなから、そうすけといっしょにお風呂に入ってきたらどう、とうながされて、入ってみることにした。落っことしたら、どうしよう。ためらっていたわたしに、だんなが、シンクで入れるよりもラクだよと教えてくれた。洗面台だと上から抱えるちからが必要だが、大きな湯船のなかだと浮力がはたらいて、ラクラクそうすけを支えられるのだ。それに、あたまやからだを洗うときには手つだってあげるよ、といわれて、だんぜんやる気がわいてきた。

 39度のお湯なのでいつもよりぬるいけれど、長くつかっていればしっかり汗がかける。そうすけの服をだんなが脱がせているあいだに、湯船につかってスタンバイした。ついでに、すきな音楽もかけておこう。そうすけを産む前日にも、聴いていた曲だ。準備できたよー、と声をかけると、さっそくだんながそうすけを抱えてやってきた。いらっしゃい。だっこしてうけとると、ゆっくり身を沈めていく。そうすけが、じっと、わたしを見る。はじめての混浴だね。たがいに、じいっと、観察しながら湯につかった。メロディにあわせて口笛を吹いてあげるとあっと、そうすけが口を開いた。もしかして、きみはこの曲をおぼえているのかな。静かに目をつぶっている。気もちよさそうな表情だ。

 1曲ぶんいっしょにあたたまると、だんなをよんだ。パンツ一丁のだんながやってくると、大きめの洗面器にお湯を入れて、そうすけを抱えてゆっくりそのなかに移した。きょうはわたしが洗う人、だんなが流す人になる。あたまから順番にベビー用ボディソープをつかって汚れを落としていく。あたま、首、腕、胸、おなか、背中、おしり、足、おちんちん。わたしが洗うと、だんなが小さめの洗面器に湯を入れてつぎつぎに流していく。お父さんとお母さんの共同作業だ。仕あげに、顔も洗ってみた。沐浴のときはお湯につけたガーゼでふくだけだったけれど、皮脂がたまってきたので、指でくるくる磨いてみた。ざばーっと、だんながお湯をかけた。そうすけが、ひゃあっと、びっくりした顔をしている。それでもまったく泣かなかった。もしや、ダイバーの素質があるのかな。