2月3日、産後ケアその1。(生後41日)

 いま、赤坂にある助産院にいる。子育て修行のためである。というのはウソでめいっぱいリラックスしている。きょうから2泊3日で産後ケアをうける予定。はじめての育児も1か月がすぎて疲れもたまってきたので、ここらでリセットしておこうというわけだ。だんなが出張で不在なのをいいことに、行きたかった助産院に予約を入れてしまった。いいぞ、いいぞ。このごろこのような産後ケアをしている助産院がふえてきているそうで、調べてみると複数の候補が見つかった。それでもまだ高額でとっておき感はいなめない。だれでも利用できるくらい一般的になるといいのになあ。まあ、まずは体験してみよう。

「ここが、かんべさんのお部屋ですよ」
「わあ、かわいいですね」
日本ばなれしたデザインの洋室。アメリカの田舎町にきているみたいだ。学生時代に短期留学で行ったイリノイのホームステイ先を思いだす。オーディオも、テレビも、冷蔵庫もない。ものすごく静かだ。いっぽうで、育児に必要なものはすべて、そろえられている。おむつも、着がえも、タオルも。ここでそうすけと2泊3日をすごすんだなあ。おくるみのなかのそうすけもどこかワクワクしているように見える。ぎゃん泣きしないでくれますように。
「まずは着がえてリラックスしてください」
「ありがとうございます」
「お昼ごはんは12時におもちしてだいじょうぶですか」
「はい、おねがいします」
そうすけを、部屋に置いてある服に着がえさせる。手ざわりがいい。肌にいい素材をつかっている。わたしも着がえた。ベッドはいつでも添い寝できるようにととのえてある。かたすぎず、やわらかすぎず、いいあんばいだ。
「ちょっと、休もうかー」
そうすけに話しかけると、さっそく添い寝をためしてみた。あっという間に2時間がすぎた。お昼をたべて、また添い寝した。おやつをたべて、また添い寝。人ってこんなに眠れるんだなあ、と感心するほど眠った。

 いつもよりひろいお風呂でバスタイム。そうすけはごきげんだ。やっぱり風呂がすきなんだなあ。風呂あがりのおっぱいをのんで、また添い寝をする。晩ごはんをたべて、また添い寝。添い乳のしかたも教えてもらった。いままでこんなふうにすごしたことはなかった。家にいるとついついテレビをつけっぱなしにしていたのを猛省する。消すだけでもずいぶんとちがう。