2月5日、産後ケアその3。(生後43日)

 産後ケアも、きょうでおしまい。さいごの1日は、どんな体験ができるかな。きのうからきょうにかけては、添い乳をマスターしたおかげで、ひと晩ずっと、そうすけとベッドですごすことができた。おむつをかえるのにいちど起きたくらいだ。移動をすくなくするだけで、からだの負担がこんなにちがうなんて。添い寝や添い乳はたいへんだと思っていたけれど、なれるとこちらのほうがすごしやすい。こうしたちょっとした心がけの積みかさねで、正しいからだがつくられていくんだなあ。逆にいえば、ちょっとしたムリだってがまんをつづけているとたいへんなことになるわけだ。これからは気をつけよう。

 おどろいたこと。2泊3日のあいだ、からだにいいものばかりたべていたからだろうか、おっぱいがふわふわになった。根菜をはじめとする冬が旬の食材や海藻をたっぷりつかったメニュー。油分はひかえめに。野菜は生のままではなく温野菜にしてたべる。のみものは、あたたかい健康茶。とにかく、からだを冷やさないように気をつける。それだけで、おっぱいの手ざわりがかわった。意外なことに、乳製品はとりすぎるとよくないそうだ。脂肪分が多く含まれているため、乳腺炎になりやすいという。おっぱいにいいと思ってヨーグルトを積極的にとっていたのに、それも乳口炎にはよくないときいておどろいた。

 お昼ごはんのあとに、ひと休みして、風呂に入った。風呂に入る前に助産師さんが用意してくれた体温計と体重計で、そうすけの体調をチェックした。体温が37.2度。体重は4165グラム。4000グラムを超えていた。数字のことは気にしない、気にしない、と思いながらも、うれしくて、うれしくてしかたがない。たしかに成長している。大きな湯船のなかでのびのびと手足を動かしているそうすけが、たのもしい。きょうは落ちついて、風呂場でおしっこをしなかった。これも成長だ。風呂からあがって服を着るまでは、ぎゃん泣きをしていたけれど。泣き声もいつのまにか、迫力がアップしてきている。

「そうすけくん、はじめてのお子さんですよね」
「はい、そうです」
「とても落ちついていらっしゃるから、初産には見えなくて」
「あははは、年が年なもんで…」
「あ、いえいえ、そうじゃなくて。もっとあわてていたり、不安がっていたりする方が多いんですよ、初産の方って」
「えっ、そうだったんですか」
スタッフさんと話しているとき、知った事実。毎日おっかなびっくりのわたしでさえ落ちついて見えるほど、みんなも、おどろいたり悩んだりしている。不安になるのはあたりまえ、と思っているくらいがちょうどよさそうだ。