2月6日、産後健診。(生後44日)

 午前9時の産後健診をうけるため、日赤医療センターへ向かった。産後健診というのは、出産後の母体をチェックするための健診だ。産科外来で、血圧と体重をはかり、産後問診票を記入、検尿を提出して、ロビーで診察を待った。先週の1か月健診で採血をしていたが、その結果もきけるはずだ。いい結果がもらえますように。受験生になった気分になる。だんなと、そうすけも、つきあってくれたのがうれしい。終わったらおいしい昼ごはんをたべにいこう、と話している。大学受験のころにも、こんな約束を母としていたのをふと思いだす。

「かんべさん、3番の診察室へお入りください」
診察室に入ると、さっそく内診をうけることになった。
「痛くないですかねえ」
「器具が入りますが、痛くはないですよ」
内診はニガテだ。でも、そんなことはいってられない。
「はい、子宮の収縮状況を診ますね。とてもいい状態ですよ」
「あ、ありがとうございます」
「子宮はきれいです。異物も残っていませんね」
「よかった。子宮筋腫はどうですか」
「複数ありますが、小さいですし、様子をみていきましょう。半年か、1年後でいいので、チェックしてください」
「はい、わかりました」
順調に回復しているようで、ほっとした。退院直後のことを思いだすと、ばんばんざいだ。あのときは、どうなることやらと、とまどうどころかブルーな気もちになっていた。7種類の薬をのんだのもはじめてだった。それでもからだはちゃんと、こたえてくれるのだ。あせらなくたって、よかったんだ。
「血液検査の結果も、問題ないです」
「甲状腺ホルモンは…」
「正常です。もう、妊娠前の生活にもどっても、だいじょうぶですよ」
「もう、お薬のまなくても、いいんですね」
女医さんが笑いながら、だいじょうぶです、と、こたえてくれた。あとひとつきいておきたいことがある。ずっと、気になっている症状についてだ。
「尿もれが、なかなかなおらなくて」
「だいじょうぶ、かならずよくなりますよ」
「気にしすぎなのかな」
「なおるまでに時間がかかるので、気になるんですよね」
「たしかに、よくはなってきたかも」
「どうしても気になってしまうようでしたら、相談くださいね」

 帰りにおいしい昼ごはんをたべて、ベビー用品専門店に寄って、そうすけのベビーソープを買った。ベビーソープだけを買うつもりだったのが、ついつい添い寝用のクッションやおもちゃまで買ってしまった。このおもちゃであそびたいなあ、と親のほうがほしがっている。おとなだって、あそびたいのだ。