3月13日、乳児湿疹。(生後79日)

 朝、9時のいちばんのりをめざして、皮膚科へ急いだ。皮膚科は、家から歩いて5分ほどにある小児科に併設されている。内科、小児科はだんなさん、皮膚科は奥さんが先生だ。これからもますますお世話になるだろう。そうすけの乳児湿疹がひどくなってきたので、診てもらうことにした。自分でひっかいたあとが、いくつかある。傷になる前に、ちゃんとなおしてしまおう。

 医院に着くと、すでに待っている人がいた。が、多くなさそうだ。そうすけは4番めに診てもらえることになった。早く来てよかったね。看護師さんによばれて診察室に入ると、奥さん先生がにっこり笑って待っていた。
「はい、おはようございます。きょうは、どうしたの」
「湿疹ができて、爪でひっかいちゃったんです」
「あらら、かゆいのかな。湿疹自体はそれほどひどくはないですね」
先生が資料を開いて、写真を見せながら、乳児湿疹の症状を説明した。思わず声をあげたくなるほど、痛々しいものもある。カサカサするものも、ベタベタするものも、ジュクジュクするものも、ぜんぶ乳児湿疹。赤ちゃんのほとんどが、いちどは経験している。1歳から2歳までには、自然になおるといわれている。症状を素人が判断するのはきけんだ。しっかりと診てもらおう。
「肌を洗うとき、なにをつかっていますか」
「ベビーソープをつかっています」
ブランド名を確認して、それなら問題ないわね、と先生はいった。しっかり洗って、肌を清潔にたもつこと。赤ちゃん用のせっけんやボディソープの泡をたっぷりつけて、洗うといいそうだ。顔面とくらべて、頭部はちょっとフケが出ているくらいで、とくに炎症はなさそうだ。よかった、よかった。
「いまのカンジで、これからも清潔にたもってくださいね」
「ありがとうございます」
ぬり薬を出してもらって、症状がおさまるまで様子をみることになった。ついでに、わたしの乳腺炎を予防するための葛根湯も処方してもらった。この際だからききたいことはぜんぶきいてしまおう。
「3か月健診って、受けたほうがいいんですかね」
「自治体から通知はきてますか」
「品川区は4か月健診で、3か月は自費になるんですよ」
「へえ、そうなんだ。気になるところがあったらで、いいんじゃないかな」
「体重、ですかね。生まれたとき、おちびちゃんだったもんで」
「体重なら、ここで測れますよ」
「えっ、ホントですか」
「じゃあ、3か月のワクチンを受けにきたときに測りましょう」
うん、見たカンジとくに気になるところはないよ。と、先生から太鼓判まで押してもらった。ききたいことをいまきいておいて、よかった、よかった。