3月2日、メリーに首ったけ。(生後68日)

 メリーが、大活躍している。メリー、といっても人の名前ではない。オルゴールがついたおもちゃのことだ。ベビーベッドにとりつけてつかっているものだ。3週間前くらいにつかいはじめたばかりのころはには興味を示さなかったが、音楽にあわせてくるくるまわるマスコットや鏡を、じっと見つめるようになった。おもちゃの動きにあわせて、首をまわして見つめるようにもなった。あおむけに寝かせていると、手足をばたばたさせてよく動く。その動きがダンスをしているようにも見える。もしかして、いっしょに踊っているのかな。だとしたら、おそるべき進化だ。その振りつけはどこから生まれてきたんだろう。生まれながらのリズム感とでもいうべきものだろうか。

 こんなふうに反応が見られると、おもしろい。メリーに入っている童謡のメロディーのなかに、大きな栗の木の下で、の歌もあった。よし、よし。これからはこの歌を、おむつがえのテーマ曲にしよう。いままでめんどうだったおむつがえも、そうすけといっしょにうたって踊れるチャンスになれば、たのしみがふえてくる。毎日子育てをしていると、こんな小さなこともモチベーションをあげてくれるから、ふしぎだ。おむつがえをするたびにいつも泣きだしていたのが、メロディーがきこえると息をはずませて、ダンス、ダンス。うたってあげると、おおよろこび。歌にあわせて、ああ、とか、くうう、とか、高い声でハーモニーをきかせてくれる。まるでむかしから知っているかのようだ。

 まだ生まれてからたったの2か月なのに、世の中のしくみにどんどんなれてきている。その適応力の高さにおどろかされっぱなしだ。けがれのないまっすぐな瞳を見ていると、なんの疑いももたずに生きているんだなあ、とつくづく思う。潔さに、胸を打たれる。おっぱいをのむときは、100%おっぱい。うんちをするときは、100%うんち。よけいなことを考えないから、すぐに順応できる。そうすけといっしょに、45歳からの適応力もきたえなおしたい。