3月27日、3か月健診。(生後93日)

 午前8時45分、日赤医療センターへ。そうすけの3か月健診だ。2日前に熱を出していたのでちょっぴり気になるけれど、本人はすこぶる元気だ。受付を済ませて、名前をよばれるまで待つ。小児保健部のロビーには、受診を待つ親子がたくさんきていた。1か月健診を受ける赤ちゃんもたくさんきている。あたりまえのことだが、そうすけのほうがずっと大きく見える。ほんの2か月だけでもこんなにかわるとは。うっかりすると成長を見すごしてしまいそうだ。

「かんべそうすけさーん」
はいっと返事をして、前に出る。まずは体重測定から。服もおむつもぜんぶ脱いで、デジタル式体重計でチェックする。5910グラム。生まれたときの2倍以上にふえた。つぎに身長。59.4センチ。どちらも乳児身体発育曲線のまんなかをキープしている。とくに心配はなさそうだ。
「カウプ指数は16.7。いいバランスですね」
「カウプ指数ってなんですか」
「肥満、やせ、を判断する指標で、満3か月から5歳までの乳幼児につかわれているものです」
「おとなでいえば、BMIみたいなものですか」
「そうです、そうです」
へえ、子どもにもそんな指数があったんだ。乳児の場合は、15から19のあいだがふつうといわれている。個性がもとめられている時代にふつうをめざせといわれてもなあ、と屁理屈をこねたくなる。ふしぎな気分だ。

 測定を終えると診察室で医師による健康チェックを受けた。目の動き、首のすわり、股関節の開き、などなど。こちらも順調だ。なにかききたいことはありますか、と医師にきかれて、日ごろずっと気にしていることをきいてみた。
「生まれたとき、おちびちゃんだったもんで。いつも体重のことが気になってしかたないんですよね」
「ふやそう、ふやそうと、がんばらなくても、ふえますよ」
「ですよねえ。親の都合ですよねえ、これって」
「おでぶちゃんになったら、それはそれで、たいへんだから」
「だから、カウプ指数があるんですね」
「そう。でも、まずは赤ちゃんがごきげんでいられること」
生後3か月がすぎたら、もっと、そうすけとの意思の疎通がとれるようになるだろう。もっと、マイペースでしっかりおっぱいをのめるようになるだろう。