3月30日、声が出ない。(生後96日)

 かぜが、なかなか治らない。のどが痛くて、のど飴をなめたまま寝ることにする。横になってしばらくしてうとうとしかけたころに、授乳のタイミングがやってくる。朝までずっとこの調子だから、体力を消耗してしまう。治るのにも時間がかかってしまう。わかってはいるのだが、なんとかして1分1秒でも早く治してしまいたい。と思っているうちに、とうとう、声が出なくなってしまった。これには正直、あわてた。だいすきな歌もうたえなくなるじゃないか。

 近くの内科にウェブ予約を入れた。43番め。きょうも受診を待つ人で混んでいる。みんなが、1分1秒でも早く体調をとりもどしたい、と思っているんだろうなあ。もちろん、わたしもそのひとりだ。とはいえ、ここまでひんぱんに病院のお世話になるとは。思ってもみなかったことだ。そうすけのワクチンや健診も入れると、週の半分以上もかよっていることになる。こんなに健康について考えたことは、いままでなかった。目の前の仕事に夢中だったからだ。

「こんにちは。すみません、声が出なくて」
「かぜ、つらそうですね」
内科の先生には小児科でもお世話になっているので、よく会っている。変化を察してくれたようで、すぐにのどの様子を診てもらった。鼻からのどにかけて感染が起こっているので、上気道感染症とのこと。のどに痛みがあるか、せきやたんは出るか、熱はあるか、鼻水の調子はどうかなど、声が出せないので、イエスかノーかでこたえられるように質問してくれた。かぜの特効薬はまだ見つかっていない、ともいわれる。これは、原因がおもにウイルスであるためと、ウイルスにもいろいろな種類があるためだ。だから、安静と保温、十分な睡眠と栄養をとることなど、家庭での看護がいちばん大切になる。せきやたん、熱などの症状はからだが必要として起こしているので、むやみに薬で症状をおさえないほうがいいらしい。ただし症状がひどいときには、その状況に合わせて薬を処方する。おっぱいをあげつづけてもいいように、鼻とのどの症状に対応する薬を出してもらった。1分1秒でも早くもとの調子をとりもどせますように。