4月12日、祝・寝返り。(生後109日)

 じつは2週間ほど前から、気にはなっていた。そうすけの動きが、どうもあやしいのだ。ベビーベッドで泣きはじめたときにタイミングが合わず、わたしがトイレに入っていることがあった。もどってみると、ベッドの柵にあたまをぶつけたのだろうか、さらに声を上げてびゃんびゃん泣いていた。しかも、そばに置いてあったおもちゃがぜんぶなぎ倒されているではないか。このような場面に、なんどか遭遇した。どうしたら、こんな状況になるんだろう。ベッドで大泣きしているときに、しばらく様子を見てみることにした。するとそうすけは自分から、右に、左に、からだをよじって背中をそらせながら、すこしずつ、すこしずつ、上のほうに移動しているではないか。どうやら、大泣きしたあとにからだをよじっているのではなく、からだを大きくよじったあとに泣きだしているようだ。まるで、自分のからだが思いどおりに動かず、腹を立ててあばれているようだ。もしかしてこれって、寝返りをうとうとしているのかも。

 生後3か月を過ぎて首がすわってくると、こんどは赤ちゃんは寝返りをうつことをおぼえるようになる。そう、まさにいま、そうすけは寝返りという新たな難題にとりくんでいるわけだ。そして、その難題をクリアする瞬間はいきなりやってきた。風呂あがりにだんながミルクをあげてげっぷを出そうとしていたが、きょうはなかなか出なかった。いつもならげっぷが出てぐっすり眠るところだが出なかったので、ぱっちり目が覚めてしまった。それでもベビーベッドに連れていっておもちゃであやしているうちに、なんとか眠りについた。数分ほどしてそうすけが泣きだしたかな、と思ったとたん、ガタガタガタッとなにかが落ちる音がした。ベッドの柵を上げているので、そうすけが落ちることはないのだが。あわててそばにいって見ると、ベッドの上に並んでいたおもちゃがぜんぶ床に落ちていた。そうすけは、柵にへばりつくようにしながら大泣きしていた。きっとまた柵にぶつかったのだろう。もともといた位置にそうすけをもどして、あやして、ようやくふたたび眠りについた。それでもまたおなじことを、なんども繰りかえしていた。なるほど、たしかに寝返りをうっている。右から左へなんども寝返りをうっている。トレーニングしているようだ。

 あたまを柵にぶつけるとかわいそうなので、そうすけのあたまをいつもと逆に置いてあやすことにした。かるくひと眠りしたあと、そうすけがどう動くのか観察してみると、下半身をひねってうつ伏せになり、左腕を右下からぬいて器用に寝返りをうっていた。こんどはそこに柵はなく、ふかふかでやわらかいぬいぐるみのわんちゃんが待機していたので、そのまますやすや眠りについた。いまは左腕を下にしての寝返りしかうてないが、そのうち逆方向もうてるようになるだろう。そうすけはベビーベッド以外に親のベッドで添い寝もするので、そろそろ転落防止のクッションを用意しておいたほうがよさそうだ。