4月17日、ボディランゲージ。(生後114日)

 保育園の連絡帳に、きのうのそうすけの様子が書かれていた。平気そうに見えても、やっぱり緊張していたのだろう。冷凍母乳を250cc準備していたが、のんだのは30ccだけだった。初日だから、のんでくれただけでもよしとしよう。あい先生をはじめ何人かの保育士さんが、そうすけくーんと声をかけると、顔を向けてにこにこ笑っていたそうだ。顔を近づけると、じいっと見つめてからにっこり笑顔を見せたという。ああこれは、いつもの決め顔にちがいない。アピールタイムだ。この顔を間近で見た人は100%とりこになってしまうのだ。それだけではない。ぶんぶんぶんの歌をうたうと、ぱたぱた手足を動かしながらじょうずにリズムをとっていたという。どの保育士さんにだっこされてもたいへんきげんがよく、あー、うー、と声を出していたらしい。

 家に帰ってからはずっとごきげんななめだったけれど。保育園ではこんなにがんばっていたんだなあ。言葉をつかうことができないだけで、ほんとうはおとなのやりとりをずっと見ていて、どんな状況なのかをすべて理解しているんじゃないか、と思わずにはいられない。だからどんなときもごまかさないで、誠実に向きあっていたいと思う。いつも目の前のことにせいいっぱいでいると、大切なこともつい忘れがちになってしまう。そのたびにオリジナルのボディランゲージで教えてくれる。言葉がわからないからといってその場しのぎでウソをつくのはたいへんきけんだ。そうすけはすべてわかっている。

 目黒川沿いをさんぽがてら、遅めのランチへ。いつもよく行く、焼きたてのパンがたべ放題のレストランに入った。こんにちはーとウエイトレスさんがそうすけに話しかける。にまっと、笑顔でこたえる。どうもどうも、といっているような顔に見える。きょうはそうすけをベビーカーから出して、太ももの上にすわらせることにした。わたしを椅子にしてすわっている姿勢だ。まだ食事はできないけれど、お客さんのひとりになった感覚は味わえる。なんだかVIPみたいだね。いらっしゃいませ、とウエイトレスさんがお手ふきを渡してくれた。ありがとうといわんばかりに、そうすけがにっこり笑って受けとった。